デキないオトコの仕事が回らなくなる「必然」 「オレにしか出来ない」からハマる、悪循環

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最後に、依頼主へのお願いについて。依頼主へのお願いとは、依頼を受けた仕事がどうしても期待に応えられなくなった時の相談です。この場合は仕事の「優先順位づけ」が必要。デキないオトコは、優先順位つけの定番のお作法を使います。

それは「重要度・緊急度のマトリクス」です。

手持ちの仕事を、重要度と緊急度の2軸で分類し、重要で緊急のものから優先順位をつける、有名な方法です。ところがこの方法、実は使い方に難があります。仕事が回らない時は、たいてい「ぜんぶ重要で緊急」なので、順位をつけづらくなるのです。結果、デキないオトコは多くの仕事が最優先事項化して、仕事が回らなくなるはめに。

 「謝って許してもらえそうか」を判断軸に

デキるひとの仕事の優先順位づけも同じようにマトリクスを使いますが、「軸」が違います。

デキるひとが使うのは、「謝れるかのマトリクス」です。

具体的には「謝って仕事の質を落とせるか」と「謝って納期をずらせるか」の2軸で整理。謝って許してもらえるものは先に「大変申し訳ございませんが……」と「お願い」するお作法です。

緊急度や重要度といった客観的な判断は難しいですが、謝れば……は相手次第で判断がしやすい。相手にとっては真摯に映るので、信頼関係にプラスになることも。デキるひとならではの「奥の手」とも言えます。

デキるひとの仕事を上手に回す「お願い」のお作法は、ビジネスの常識からずれたお作法でもありました。デキないオトコは常識を信じて回らなくなる。仕事のデキるデキないは、常識への態度が決めるのかもしれません。デキる女性の代表者が残した、こんな一言を思い出しました。

もし私がすべてのルールを守っていたら、成功なんてしていなかったでしょうね。 〜 マリリン・モンロー

 

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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