デキないオトコの仕事が回らなくなる「必然」 「オレにしか出来ない」からハマる、悪循環

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次に、上司や関係者へのお願いについて考えます。デキないオトコは上への報告や指示対応、あるいは関係者のクレーム対応に時間を食われます。周りに振り回されているのに、本人的には「オレにしか出来ない仕事」と、どこか悦に入りがち。仕事が回らない状況が続いてしまいます。

デキないオトコは上司や関係者と接する時、ビジネスで常識と考えられている2つのお作法を使っています。その2つがこちら。

1. レポートライン(組織図)

2. ホウレンソウ(報告連絡相談)

仕事の基本姿勢なのですが、実は、日常的に起きる上からの無茶ブリや関係者からの横ヤリみたいな組織図をこえたトラブルが起こった際には、この原則に縛られるとうまく対応できません。

「サポーター」をつかい倒し、「クレーマー」は無視

デキるひとは常識とは違うお作法で、上手にお願いして上や関係者と「つかって」います。そのお作法とは「ステークホルダー・マネジメント」。上司や関係者を影響力と自分への賛成度の2軸で4分類に整理し、お願いや根回しをするのです。

① 影響力高・賛成度高:「サポーター」組織図を超えて普段から関係を保つべき人たち

② 影響力高・賛成度低:「要注意人物」いちばんケアの必要な人たち

③ 影響力低・賛成度高:「ファン」感謝の気持ちを届けるべき人たち

④ 影響力低・賛成度低:「ただのクレーマー」声が大きくても、スルーしてOKの人たち

このお作法のポイントは、④の人たちはスルーしてもいいと思っておくこと、①と③の人たちは日頃から関係を保っておくこと、そして②の要注意人物が現れた時に①のサポーターに相談し、要注意人物本人や、要注意人物が言うこと聞く人の説得に動いてもらうこと。これらの判断がカンタンにできなければなりません。

お願いしながら上や関係者を「つかう」。デキるひとは組織図をこえた賢い「お作法」の持ち主でした。

次ページ「ぜんぶ重要で緊急」なとき、デキるひとはこうする
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