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キャリア・教育 #高城幸司の会社の歩き方

「多数決」で物事を決めるのはこんなに危ない 企業がめったにこの方法を取らない理由

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  • 高城 幸司 株式会社セレブレイン社長
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日本では憲法改正の際の国民投票のみが予定されておりますが、実施されたことはありません。ちなみに米国には、連邦制であることから、国民投票制度そのものが存在しません。

私たちの日常で多数決をする場面とは?

では、われわれの日常生活の中ではどうでしょうか。会社のなかで経営陣が社員に対して信任を問うため「Yes or No」と国民投票のような多数決で意思決定を行うことはあるのか? また、多数決は効果的な手段でしょうか?

会社でも多数決を用いて意思決定するケースはあるといえばあります。たとえば、取材したマーケティング会社では、HPで基調にする色を何にするか? あるいは金融機関で店頭接客する社員の制服のデザインについて2案でどちらにするか? などについて社内投票が行われ、その結果でデザイン案を決めていました。

このくらいであれば投票制でも良さそうですが、より重要な問題になると状況は異なってきます。

ある事務機器の販売会社では、営業部の人事評価に対する社内投票が行われていました。具体的には「個人と部門」単位でどちらの業績を優先的に考慮するかという内容。

これまで部門単位の業績が優先されてきたのですが、営業担当役員が個人業績を優先すべきではないか?との思いを持ち、社内投票でどうすべきか決めることになりました。役員は部門業績を優先すると、個人として高い業績を上げている担当者のモチベーションが上がらない。退職のリスクもあると大々的に主張しました。そのあとに行われた社内投票でしたので、その役員の声に影響を受けるような形で、個人業績を優先するべき……との投票が多数となり、人事評価が部門優先から変更されることになりました。

ただ、この変更は会社の業績をプラスに転じさせることはありませんでした。個人間の成績で格差が広がり、社内の雰囲気はギスギスとし、会社の業績はさらに悪化。個人優先と投票した社員から「誤った投票をしてしまった」と悔いる声があがり、人事評価は1年で元に戻されることになったのです。経営陣は、失敗に終わった制度改革を迅速に撤廃しましたが、もし頑固に「一度投票で決まったことは覆せない」となっていたら、大変なことになったのではないでしょうか。

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