コロンビア大で出会う、最先端の経営 「第2の創業」を成功させるものは何か?

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2012年3月には、恒例の日本への研修旅行も主催。川本さんはツアーリーダーとして、トヨタ自動車、ソニー、DeNA、スタジオジブリなどの企業訪問を企画し、奔走した。

9月、新入生を迎え、前年に存亡の危機にあったJapan Business Associationをどうやって盛り上げていくか、作戦会議が開かれた。

「日本の文化やビジネス習慣は、僕たち西洋人にとっては、とてもユニークで興味深いものなんだ。『日本』を体験できるイベント企画を、JBA勧誘の目玉にしていこうよ!」

日本ビジネス研究会のメンバーたち。後方左端がマルコス・シーランさん

マルコスさんたちヨーロッパ人に加え、アメリカ人、中国人、韓国人の同級生が、積極的に新入生を勧誘してくれて、JBAは息を吹き返した。その感謝の気持ちをメールにして、マルコスさんに送ったところ、こんな返信がきた。

「JBAが存続できたのは、アキ(川本さんの愛称)が誰よりも頑張ったからだよ。僕たちは、アキがいたから日本に興味を持ったし、日本のことを深く知ることができた。

ヨーロッパとも、アメリカとも違う、新しい視点を与えてくれたことに、心から感謝している。アキの影響力って、思っているよりスゴいんだよ。同級生として出会えて本当によかった!」

1人で頑張ってきてよかった、と思った瞬間だった。

「この言葉は僕の留学生活の勲章だと思っています。1人で寂しいと思ったこともありましたが、得たものも大きかった。MBA留学って、自国を意識する場でもありますが、それ以上に、友人を通じてグローバルパーソンとして、異なる視点や感覚を身につける場なんだと再認識しましたね」

ビジネススクールで出会った友人は、生涯の友となる。友人は、MBA留学から得られる大きな財産なのだ。

佐藤 智恵 作家・コンサルタント 

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さとう ちえ / Chie Sato

1970年兵庫県生まれ。1992年東京大学教養学部卒業後、NHK入局。ディレクターとして報道番組、音楽番組を制作。 2001年米コロンビア大学経営大学院修了(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、外資系テレビ局などを経て、2012年、作家/コンサルタントとして独立。主な著書に『ハーバードでいちばん人気の国・日本』(PHP新書)、『スタンフォードでいちばん人気の授業』(幻冬舎)、『ハーバード日本史教室』(中公新書ラクレ)、『ハーバードはなぜ日本の「基本」を大事にするのか』(日経プレミアシリーズ)、最新刊は『コロナ後―ハーバード知日派10人が語る未来―』(新潮新書)。公式ウェブサイト

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