2012年を振り返るとき、「今年も目標を達成できなかったな」 と反省する人は多いだろう。そして、次に続くのが、自分自身への言い訳だ。「でも、こんな事情があったからしようがないか」。そして次の年もまた同じことを繰り返してしまう。
そんな方々のために、今回は、「自分に言い訳をしない」 リーダーシップを教えてくれる、MBAの授業をご紹介する。
井上さんは、10歳までアメリカで育った帰国子女。子どものときから、マイノリティとして生きる難しさを感じながら、日本への愛国心は人一倍強かったそう。
「日本企業のグローバル化に貢献したい」という夢を抱き、大学卒業後は、法律事務所、投資銀行など、3社で働いた。投資銀行では、日本企業が海外企業を買収する案件などに関わり、達成感もあったが、同時に日本企業がグローバル化されていないという理由で入札に勝てない現実も目の当たりにしたという。
「世界に通用する経営を学びたい」と会社を退職し、MBA留学。夫の康隆さんも2012年ケロッグに合格し、現在、夫婦で在学中だ。
井上さんは、卒業後、世界的な経営コンサルティング会社で、日本企業のグローバル化やM&Aプロジェクトを積極的に手掛けていく予定だという。そして、将来的には新興国、特に南アメリカで働いてみたいと思っている。
「ケロッグに留学するまでは、新興国で働きたいなんて、夢にも思わなかった」という井上さん。ケロッグでの留学生活は、井上さんの価値観をどう変えたのか?シカゴ近郊在住の井上さんに取材した。
ブラジルで働いてみれば?
ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の新入生は、ほぼ全員、入学前に「オリエンテーション旅行」、Kellogg Worldwide Experiences and Service Trips(KWEST)に参加するという。
これは入学前に、旅行先で共にボランティア活動などをするうちに、クラスメート同士が自然に仲良くなっていく仕組みだ。偏見なく、素の人間関係を築いていくことができるように、「旅行中は自分の経歴や国籍を話してはいけない」という決まりがあるという。
井上加奈子さん(30)は、2011年7月、KWEST旅行で、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)を訪問した。30人ぐらいの新入生が参加した旅行で、井上さんたちは、貧しい人のための無料食堂でボランティア活動を行った。
この旅行で後に親友となるブルーナさんと出会う。
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