ブルーナ・カイザーマンさん(30)は、ロシア系ブラジル人。ブラジルの投資銀行とプライベートエクイティ会社で働いた後、ケロッグに留学したという。
井上さんとブルーナさんは、9月に授業が始まってからも、毎日のように一緒に授業の課題に取り組んだり、食事をしたりして、さらに親交を深めていった。
「ブルーナに出会って、ブラジルという国がとても近い存在になりました。ラテン系の人というと時間にルーズで楽天的なイメージがありますが、ブルーナは時間に厳しく、とても真面目。ブラジルは、さまざまなバックグラウンドの人がいる移民の国なんだと実感しましたね」
井上さんがブルーナさんから日々学んでいるのは、新興国の代表として、貪欲にアメリカから知識を吸収しようとする姿勢だ。
ブルーナさんは卒業後、ブラジルで働くことにはこだわらず、中国やロシアで働くことも視野に入れているという。最終的にはブラジルの経済発展に貢献するとしても、それまでにできる限り、国際体験を積みたいということのようだ。
「『関西のおばちゃん』みたいに、いろいろな人生相談にのってくれます。就職活動中も、私が日本とアメリカの会社を探して、悩んでいたら、『いつも同じ場所ばかり見ていても、同じような答えしか見つけられないよ!ブラジルで働いてみたら?』と思いもよらないアドバイスをくれました」
ブルーナさんに出会ってから、「もっと日本以外の国のことが知りたい、日本以外の国、できれば新興国で働きたい」という気持ちになったという井上さん。早速、スペイン語の勉強も始めた。
就職活動中も、ブラジルで働くことを検討した。結果的には、コンサルティング会社の東京オフィスで経験を積むという選択をしたものの、将来、南アメリカで働きたいと思う気持ちは変わっていない。長期的には、起業することも視野に入れていて、事業プランも練り始めているという。
ブルーナさんとの出会いは、井上さんの世界観を大きく変えたようだ。
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