言い訳しない人生、始めませんか? ケロッグで学ぶ、既成概念を打ち破る力

✎ 1〜 ✎ 4 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 最新
拡大
縮小

新興国の光と影

ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院の代表的な授業といえば、「Global Initiatives in Management」(経営におけるグローバルイニシアティブ)だ。

3カ月間をかけて、特定の国・地域のビジネス、政治、文化について学び、授業の最後には、2週間の実地調査がある。

学生は、中国・モンゴル、インド、日本・韓国、東南アジア、南アメリカ、中東、南アフリカの7つの地域から、興味のある地域を選ぶ。

授業の前半は講義で、後半はその国にちなんだゲストスピーカーが講演をする。各授業は、学生主体で進められ、学生リーダーが、教授にアドバイスをもらいながら、カリキュラムを作っていく。『どういう講演者を招聘するか』『どういう企業を取り上げるか』を決めるのも、すべて学生リーダーだ。

ケロッグの代表的授業であるGIMのリーダーたちと。井上さんもリーダーに立候補した

この授業で特徴的なのは、調査先として出身国以外の地域を選ぶ人が多いこと。

井上さんも、日本を選ばず、あえて、「南アメリカ」を選び、学生リーダーに立候補した。教授による厳しい書類選考と面接をクリアし、見事、リーダーに選ばれた。南アメリカを選んだのは、一度も行ったことがなかった地域だったことと、ラテンアメリカ出身の友人が多かったことが理由だ。

授業のハイライトである実地調査で、井上さんのグループは、ブラジルとアルゼンチンの企業や団体を訪問した。ペルー出身の講師がアドバイザーとして同行するが、リーダーは井上さんだ。

ブラジルでは、オリンピック委員会やワールドカップ委員会、アズール・ブラジル航空(格安航空会社)、TV Globo(ブラジル最大の民放テレビ局)、Natura(化粧品会社)、アルゼンチンでは、アルコア(製菓会社)を訪問した。

「訪問先は、今、南アメリカで勢いのある組織、企業を選びました。ケロッグの看板がなければ、なかなか訪れることができないような訪問先ばかりです。私たちの訪問を受け入れてくれたのは、ケロッグの学生を積極的にリクルーティングしたいということもあるようです」

次ページ言い訳は、訓練次第でやめられる
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT