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1番でも本流でもない人が組織を強くする 蝶野正洋「期待がないからこそ自分が出せる」

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じゃあ俺が、どう生きる術を選んだかというと、同じ闘魂三銃士の武藤や橋本の対抗勢力としての存在だった。さしずめ、彼らが与党なら、俺は野党だよ。それにより、言うなれば正道を見せる必要もないから、気持ちが少しラクになった。大会場のセミファイナル以下の試合に指定されても、全然気にならなかった。

メインはやはりチャンピオンが出るべきだからね。でも、それは逃げじゃない。

大会場以外の興行は、俺たちが盛り上げているんだという自負がすごくあったんだ。与党のトップは、会社の本流だから、いろいろなお膳立てもある。広報戦略もそれに入るかも知れないね。

しかし、野党の自分たちには、当然そういった会社側からのバックアップはない。だからこそ、自分たちが、どれだけちゃんとした内容のものを見せられるかを意識していたし、それができていたからこそ、「自分たちの力で成し遂げている」という達成感も得られたんだ。

上からの言いなりじゃない。自分たちから喧嘩を仕掛けているという自負心もあった。

皆さんも記憶にあるかもだけれど、2000年代は、総合格闘技ブームというものがあった。プロレスも比較対象になったわけだけど、総合には、地方をくまなく回って戦うというフォーマットがない。プロレスの利点は逆にそこだったし、そこで尽力していたのは、ビッグイベントでメインを張る主流派じゃなく、サイドストリートの俺たち。つまりは、「オーソドックスなプロレスを引き受けている」という誇らしさもあったんだよ。

トップを目指さなかった俺だからこそ言っておきたい。
「自分の仕事をしっかりこなせば、地位は関係ない」とね。

あなたがそこにいる理由

こういった考え方の背景は、俺の若いころの苦い経験が影響しているかも知れない。

俺は10代のころ、プロのサッカー選手に憧れていた。でも、その夢が破れて、次に目指したのがプロレスラーだった。

この過程は、俺の中に一種の謙虚さみたいなものを生んだと思う。今度こそ、マジメに打ち込んで、絶対モノにするんだというね。

会社選びや仕事においても、「そこしかなかったから」「それしかできなかったから」と言うと、それは選択の余地がなかったように思われがちだけど、その分、気持ちを持ってのぞめると俺は思う。

だって、その会社があなたを認めたから、あなたはそこにいるわけだからね。

会社内では必須の、同期やライバルたちへのスタンスにも触れておきたい。

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【組織において、足の引っ張り合いは厳禁】

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