1番でも本流でもない人が組織を強くする

蝶野正洋「期待がないからこそ自分が出せる」

「1番になることだけが正解じゃない」その真意とは?(撮影:菊池茂夫)
「スポーツの世界は弱肉強食」とイメージする人も多いかもしれない。ところが、『生涯現役という生き方』(KADOKAWA)の著者の一人でもあるプロレスラー・蝶野正洋は「1番になることだけが正解じゃない」と語る。
1984年にデビュー以降、武藤敬司、橋本真也と並ぶ、「闘魂三銃士」として活躍し、現役を貫く傍ら、アパレルブランド「アリストトリスト」の代表取締役も務める彼にその真意を聞いた。

今の仕事や生き方は自分に合っているか?

俺の経験上、必ずしも一番上を目指すことが、仕事において正解ではないと思う。誰だって王道を歩きたいもの。だけど、それは自分の中でそう思えればいいのであって、仕事上の立ち位置は、必ずしもそうでなくていいと俺は考える。

それよりも、その仕事や生き方が自分に合っているかの方が、何倍も大事だよ。

そう考えるようになったきっかけは、まさに俺が、組織の一員として勤めていた新日本プロレスを、また自分の仕事を大局的にとらえられるようになったから。

新日本プロレスでトップを目指せば、それはおのずと創業者かつ、唯一無二の大エースでもあったアントニオ猪木さんと比較される。でも、藤波さん、長州さん、前田日明さん……みんな猪木さんにはなれなかったよね。

だから俺は、「猪木さんにはなれないな」と、早めに見切りをつけていた。もともと俺は猪木さんの付き人を長くやっていたし、ずっと近くで見てきたこともあってね。

「えぇっ?!蝶野さん、新日本でトップを獲る気はなかったんですか?」と問われたら、「ハイ、そうです」と言うしかない。今だから明かせることだけど。

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