1番でも本流でもない人が組織を強くする 蝶野正洋「期待がないからこそ自分が出せる」
親父は製紙会社で働いていて、最終的には専務にまで上り詰めたんだけど、典型的な仕事人間だった。帰宅しても夜中の2時3時まで仕事をしているような。コピー機なんかもない時代だから、全部手書きで書類を写していた。
子供心に、見てて思ったよ。「こんな人生、俺には無理だ」って。
2人の父親から受け継いだもの
ところが、プロレスの世界に入ってみたら、他でもない猪木さんがそういう人間だったんだ。「24時間、プロレスのことしか考えてない」というか。
俺が猪木さんになるのを早々と諦めたのは先に言った通りだし、今、アパレル・ブランド「アリストトリスト」をやっているのは、親父と違って、本業以外の生き方も模索した結果だからね。
ただ、俺が本当にガキだった頃、喧嘩で警察に補導されて、父親が迎えにきてくれたことがあった。その時、親父が、俺に聞いたんだ。
「その喧嘩は、誰が先に手を出したんだ?」
俺は正直に、「俺です」と答えた。そしたら親父は言ったよ。
「ならいい。お前から仕掛けたのなら、それでいい。だけど、後ろから金魚のフンみたいについて行って、他人の喧嘩に乗るような男には、絶対になるな」
親父と、人生の歩み方は違っていたけれど、そういう姿勢は、プロレスでも貫けたと思ってる。
どんな時も、それは自分の人生。ビジネスにおいても、結局は自分で判断して進んでいく気持ちを忘れずにいてほしい。
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