「自分だけ得したい人たち」から身を守る技術 不機嫌な彼らに振り回されてはいけない
あなたの近くにB課長のような人がいたら、まずは「この人と、バックに置いている権威の結びつきは、どれほどのものか」を周囲に確認しておくとよいでしょう。
もしかすると、自分で主張しているほど、権威との結びつきは強くないかもしれません。そうなれば、「この人の言っていることは、こけおどしだな」ということになり、彼らが押し付けてくる要求を適度にはねつけることができるようになります。
ただ、実際に結びつきがあってもなくても、表立って彼らを批判することは、控えたほうが無難です。下手をすると、彼らが同一化を目指している権威を批判するのと同じことになります。
ちなみに、自分のプライドを他人の威光で埋め合わせるB課長のようなタイプは、自分には人望がなく、自分の言うことでは誰もまともに動かないことを知っています。逆に言えば、「(権威ではなく、)あなたが納得してくだされば、私はうれしいです」などと、本人にスポットライトを当てた言い方をすれば、思いのほか張り切って頼みごとを聞いてくれることがあります。
自分にも厳しいが、他人にも同様の厳しさを求める
大学病院のC教授は、一流大学医学部を主席で卒業して、結婚・出産を経験しながら研究も留学も行い、男社会の医療現場で出世してきました。
C教授に憧れて入局する女性医師も多いのですが、たいてい2~3年で辞めてしまいます。C教授はタフでリーダーシップがある反面、意見を言うと「私の意見に反対なの?」と冷たく攻撃してくることが多かったようです。
男性医師に対しても、「家事を奥さんにやってもらって、こんな仕事ぶりなの? 使えない」と不機嫌そうに指摘したこともあったようで、この男性医師もいたたまれなくなって、まもなく辞めてしまいました。
優秀で、大抵のことは人並み以上にこなせるC教授のようなタイプは、競争社会を勝ち抜いてきたせいか、敵対したり、自分の成績の足手まといになる人物が許せません。
そのため、部下には、「忠誠」と「自分と同じレベルの仕事」を求めます。部下ができないなら、本来は指導すべきなのですが、それはせずに、自分が期待した成果を相手が差し出すことを期待します。
部下が期待に応えられないと、「そんなこともできないの?」「使えない」「足を引っ張らないで」などと、成果を上げられない人を切り捨てにかかるタイプです。
こういうタフな上司の下で仕事をするときは、「この分野ならしっかり成果を出せる」という、確実な分野を持つことがポイントになります。すべての分野で成果が出せなくても、差し出せる結果がひとつでもあれば、彼らは大抵満足してくれるもの。彼らの「タダ乗り」を防ぐことは難しくとも、「損切り」されることは避けられます。
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