「母に支配される娘」のどうにもならない葛藤 愛情という名の心理的虐待は根が深い
「あなたのため」が子どもを追い詰める
「これはあなたのためなのよ」「あなたのことを一番わかっているのは母である私」「あなたは私がいないとダメなのよ」
このような一見、「子供のため」と思っているように見える言動は、実は母親自身の利益や満足のために行われており、子供を追い詰めて心を支配する、心理的な虐待にもなりかねません。
以前は虐待というと、殴る蹴るなどの身体的虐待ばかりがフューチャーされてきましたが、今は言葉による虐待や、真綿で首を絞めるような心理的虐待、兄弟間差別といった精神的に追い詰める虐待の数々が表面化してきました。
しかしながら、母から娘への行為は、どんなことでも基本的には愛情というフィルターを通して行われています。だから、娘は虐待とは思わないし、もちろん母も虐待とは思っていません。娘はその行為を重荷や疑問に思っても「母が虐待をするわけがない」「そんな風に思うなんて私は悪い子だ」と罪悪感を植え付けられます。
でも、自分の人生がままならなくなったとき、例えば、「自分は他人に比べて仕事が長続きしないし、人間関係も長続きしないけど何かあるのだろうか」――と悩んだときなどに、もしかしたら、昔から母に言われてきたことや、されてきたことが関係するのではないだろうかと考えるようになる。知らず知らずのうちに、母に支配されていた自分に気づくのです。
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