「母に支配される娘」のどうにもならない葛藤 愛情という名の心理的虐待は根が深い
巷では「母と娘」の問題の解決法は、「娘が母から離れること」という説もありますが、現実的に日本の社会で母と娘の関係を断つことはほとんど不可能です。2〜3年が限度で一生は難しい。だから、母との接触の中で、距離をとりながらも、母の毒や搾取という自分のエネルギーを奪うものに対して抵抗することが大事です。
1つは、同じような経験をしている仲間をもつこと。後は、娘がどのように母と接していくか、というノウハウを日々トレーニングすることです。自分の中に地震の免震装置のようなもの作り上げ、母のワールドに巻き込まれないようにしたり、母に対して丁寧な言葉を使い、他人行儀に見せたりすることです。
断ち切るには他人行儀で断る
母はそんな娘に壁を感じて嫌悪感を抱き、その壁を壊そうと必死になりますが、娘がそれにも動じない他人行儀を維持出来るようになればいい。そして、断ることが大事です。虐待を受けた人にとって、もっとも罪悪感が生まれる行為ですが、普段から練習して断る。もし、自分の心が崩れてしまったら、体制を立て直してゆっくりやればいいのです。
そうしているうちに、母が亡くなることがあります。以前、グループカウンセリングに来ていた方が、「今日は皆さんに嬉しいお知らせがある」とシャンパンを持ってきました。その後に続いた言葉は「私は母が死んで本当に嬉しい」というものでした。
もちろん皆はお祝いをしたし、そこには微塵の哀しみもありませんでした。彼女は母が死ぬことで、やっと呪縛から解き放たれたのでしょう。常識からはかけ離れているかもしれませんが、それほどまでに「母と娘」の問題は当事者を苦しめており、解決は難しいのです。それでも、くじけずに抵抗していくことが解決の一歩に近づくのです(談)
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