「叱る文化」の職場が伸びないこれだけの理由 ANAの上司は優先事項をはっきりさせる

「叱る」よりも大事にしていることとは?(撮影:尾形 文繁)
何をやってるんだ! どう責任をとるんだ!――失敗した部下を「叱って終わり」にしていないでしょうか。失敗した社員を「犯人扱い」している職場では、同じような失敗が頻発することになります。『仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい』の著者であるANAビジネスソリューションに、「叱る」よりも大事にしていることを聞きました。
「叱る」のではなく「感謝する」
あなたの部下・後輩の社員が、仕事上での失敗をしてしまったとします。その部下から何が起きたかを聞き出さなければなりませんが、当然失敗した部下は自分の失敗から生じたさまざまな損失に傷ついてナーバスになっています。ここで「その部下にどのような態度で接するか」が原因追究のためのカギとなります。
ANAグループの整備部門では、失敗をした社員にそのときの状況のヒアリングをする際、次のことを相手に明確に伝えています。
・あなたを犯人扱いして、処罰のために事情聴取をするのでは絶対にない。
・あなた以外の社員が同じような事故を起こさないようにするため、どのような経緯だったのかを正確に聞かせてほしい。
失敗した社員を気づかっているのではありません。失敗したときの状況を繰り返し思い出し、人に話をしなければならないことは、単に「怒られて終わり」よりもっと辛いことでしょう。
それでも、事故につながりうるエラーを防止するため、失敗をしたその社員にしかわからない状況や心の内を話してもらうことが必要だからこそ、こういう態度で接するのです。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事