その方法とは、日常会話に次のたった5つの”マジックワード”を取り入れることです。
「例えばどういうこと?」
「他にはどんなことがあるの?」
「なぜなの?」
「どうすればいい?」
この5つの問いかけを普段の何気ない会話の中に入れてあげるのです。そうすると、問われえた子どもは自然と、頭が動き出し、考える力と構成力が身につくようになります。
「具体」⇔「抽象」ができると強い
それではこの5つの言葉について説明しましょう。
1.「要するにどういうこと?」― In a word ?
これは、具体的な内容をまとめさせるときに使います。子どもの話は結構、個別具体的なことが多いですね。見たまま、経験したままを話す傾向にあるので、「要するに?」といって簡単にまとめさせるのです。これは国語の要約問題でも威力を発揮しますし、今後のコミュニケーションの場面で役立つことでしょう。
2.「例えばどういうこと?」―For example ?
これは、抽象的な内容を、わかりやすく具体的に説明させるときに使います。子どもが何か漠然としたことを言った場合、「例えば?」と聞いてあげましょう。すると、相手にわかりやすく伝えるための具体例を考えるようになります。
「要するに?」⇔「例えば?」とは、抽象⇔具体であり、その往復をさせることは非常に有効です。これだけで、とてもわかりやすい話ができ、論理的になっていきます。自然と国語の読解力が高まるというおまけまでついてきます。ちなみに、いわゆる賢い子というのは、抽象度の高い話を理解できる子です。このように具体⇔抽象のトレーニングをしていくと、そうした力がついてくるはずです。
3.「他には?」―In addition ?
これは、話題を水平展開させるときに使います。話があまりに抽象的すぎるときに、「例えば?」といって具体例がでてきますが、1つだけでなく、他にもあるかどうか聞いてみましょう。これはボキャブラリーを増やすことや発想力を高めることにつながります。
4.「なぜ?」―Why ?
この言葉は、理由や背景を考えさえるときに使います。ロジカルシンキングでは、「なぜ?」は非常に重要なキーワードです。これまで、私は、この「なぜ?」という言葉を使って、生徒の考える力をつけてきました。最も重要で普遍的な言葉です。「何?what」「誰?who」「いつ?when」「どこで?where」「どっち?which」だけでなく、「なぜ?why」を入れると、途端に会話が本質的になっていきます。
5.「どうすれば?」―How ?
これは方法を問う言葉です。「では、どうすればいい?」と聞かれて、はじめてクリエイティブな力が出てきます。または、「あなたはどうしたいの?」と聞けば、他人事から自分事になります。ロジカルな世界では、分析や表現ばかりが強調されがちですが、この「では、どうすればいい?」と問いて、ポジティブな未来へと誘導してあげることで、より実践性が増してきます。現実と未来をつなげるための、非常に重要な言葉です。このマジックワードは勉強の場面以上に、実生活で役に立つことでしょう。
では、このような言葉を使って、どのような会話をしていくか。2つ紹介します。
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