日本の政界はプロレス界にそっくりだ

繰り返される内部分裂と衰退

 

一流外国人選手を呼べなくなったプロレス業界

政治界と同じく、内向きになり、小粒化してしまった日本のプロレス界は、昔のような大型外国人スター選手を呼べなくなってしまった。

最近マカオに行ったとき、「もう引退したのかな」と思っていたK-1選手が大規模な格闘技団体のトーナメントに出ていたが、それは彼らが単に日本に来なくなっただけである。これも世界市場から見た“ジャパンパッシング”に共通していて悲しい。

かつてアントニオ猪木にホーガンやブッチャーがいたように、中曽根さんにはレーガンとサッチャーがいた。全日本プロレスの改革に成功して中興の祖となった三沢光晴選手や、最近引退を発表した小橋建太選手(長い間お疲れ様でした。今まで熱い戦いありがとうございました)にハンセンがいたように、小泉さんにはブッシュ大統領がいた。

これらは長期的に安定しているメジャー団体のトップだからこそ、海外のスター選手(大統領や首相)にも真面目に取り合ってもらえたのだ。これに対し、麻生さんや野田さんはオバマ大統領からパートナーと認識してもらっていただろうか。

某団体のように、昔ながらの内向きな顔ぶれで質の低い試合ばかりしていては、結果的に一般のファン(政治における有権者)の関心は激減するだろう。そこでは昔ながらの内輪の古株だけが生き残り、足腰のよたついたボディスラムとゆるゆるのストンピング、さらに聞き慣れたマイクパフォーマンスが繰り返される。そして若い観客がまったく見に行かなくなった古くからの団体と、中途半端なサイズの新興団体が乱立することになる。

ただしプロレスと違って、さらに政治家のタチが悪いのは、有権者が(プロレスファンと違って)他の趣味や選択肢に移れないことだ。

結果、“政界というリング”から客足はますます遠のき投票率が低下し、どんなにつまらなくなっても会場に足を運ぶ昔ながらのマニアックな、到底一般大衆を代表しないコアファンのための、歪んだ試合が展開されることになるのである。

※本記事に対して、多くのプロレスファンの方々から「最近のプロレスは改革が進んでいる」「政治なんかと一緒にしないでほしい」「二世レスラーにも大成した人は多い」とのご批判を受けました。お詫びと反省の意を最新コラムに記しましたので、そちらもご覧いただければ幸いです。

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