疲弊!ストレスチェックが生む巨大ストレス 1人休職者を出すと、会社には2~3倍の損失が

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人間は、気持ちに左右され、大きくパフォーマンスが変わります。そして、その気持ちを左右している多くの原因は人間関係です。実際に、企業内でカウンセリングをしていても、悩みの原因は、ほぼ人間関係です。上司や、部下、同僚、そして、客先、そして場合によっては、家族との関係性です。

単に「仕事量が多い」ことを訴えるメンタル不全者も、話を突き詰めていくと、実際は人間関係が関与しています。きちんとした指導が受けられないために仕事の質が下がったり、周りの協力が得られないために一部の部署や人に負担がかかってくる、などという場合が多いからです。

ですので、ストレスチェックの結果が悪ければ、より一層、コミュニケーションやハラスメントの教育に力を入れていく必要があります。

1人休職者を出すと、会社には2~3倍の損失が

人材を大切にするのは、もちろんのこと、1人休職者を出せば、会社には1人分だけではなく、2~3倍の損失があると試算されています。メンタル不全者を出してしまうことは、かなりの不利益なのです。

最後に、ストレスチェックを行う事業者側のメリットも整理しておきましょう。

【実施する側(事業者)にとってのメリット】
1. 労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止できる
2. 職場の問題点の把握が可能となり、職場改善の具体的な検討がしやすくなる
3. 労働生産性が向上するなど経営面でのプラス効果も期待できる

 

このメリットを十分に生かせるよう、制度を型だけのものとせず予防の一環として活用し、その後のフォローこそが大切です。ストレスチェックがストレスの原因になってしまわないことを切望します。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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