悲劇!30代で「介護うつ→離職」泥沼化の構図 「介護は子の仕事」と思い込むことの危険性

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介護離職は、決して他人事ではありません(撮影:尾形文繁)

こんにちは。メンタルアップマネージャの大野萌子です。

連休中に帰省したり、家族と過ごす時間を得たりしたことで、親の老後について考えるきっかけを持った方も多いのではないでしょうか。高齢化社会と言われて久しい昨今、団塊の世代の方々が70代に突入する時期は、もうすぐそこに迫っています。

親世代の晩婚化や少子化の影響で、若い世代でも介護にかかわる可能性が高くなっているのが現実です。親に限らず、家庭の事情によっては祖父母の介護を担うケースもあるでしょう。

さらに、若い世代であればあるほど、介護の問題・悩みを共有できる友人がいる人は限られてしまいます。そのため、介護の辛さをひとりで溜め込み、ひいてはメンタル不調に陥ってしまう人も多いのです。

無謀な両立を図ろうとしてしまう「必然」

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介護する立場の人は、たいていが働き盛りであり、組織の中で重要なポストについたり、責務を負っていたりする人も少なくありません。そんな中で介護の問題が浮上すれば、どんなに大変な状況になったとしても「今ここで休むわけにはいかない」「私がいないと職場が混乱する」と考え、無謀な両立を図ろうと、必死になる傾向があります。

一時的な病気などで「終わり」が見えればいいのですが、いつまで続くかわからないのが介護の怖いところ。心身とも疲弊し、介護する側がつぶれてしまうケースも、このところ顕著になってきています。

ここで、私が実際に相談を受けた30代女性の例を挙げます。同居している60代後半の母親に認知症の初期症状がみられるようになり、今まで母親が担っていた家事の一部を彼女がやるようになりました。

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