悲劇!30代で「介護うつ→離職」泥沼化の構図 「介護は子の仕事」と思い込むことの危険性

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介護を行いながら仕事にも従事している人口は、2013年時点で290万人といわれています(2013年、就業構造基本調査)。そして、介護に負担がかかり仕事を辞めざるを得なくなる「介護離職者」は、年間約10万人に達するといわれています。このような状況に追い込まれないために、どうしたらいいのでしょうか。

家族しかできない手続きもありますので、最低限の休みを取ることは必須でしょう。ただ、それ以外のことは、他人に「任せる」という選択をすることもとても重要な決断なのです。

「育ててきてもらったんだから自分がやらなければ」「介護は子どもの仕事だ」など、「○○すべき」という気持ちが強くあると、人に任せることにどうしても抵抗感が出てしまいます。しかし、以上に述べてきたケースのように、一人で抱え込んで本人が潰れてしまうケースは、決して珍しくないと覚えておいてください。

会社を辞めるよりベターな選択肢がある

少し探してみると、介護に関連したいろいろなサービスがあります。公共のサービスを使えるに越したことはありませんが、最近は民間のサービス会社も増えています。私も、そんなサービス会社から取材を受けることが最近多くなりました。

内容は実にさまざま。家事や病院の付き添い、見守りサービスをはじめ、話し相手になってくれるサービスを展開するところもあります。そういうものを臨機応変に組み合わせてみれば、自らの心身の負担を減らすことができるでしょう。

確かに民間のサービスは、公共に比べて費用が割高です。でも、生涯賃金と比較したらどうでしょうか。今の職を失い、再就職もままならない不安を抱えるより、可能な範囲で、サービスを受けることを選択肢に加えてください。

そして同時に、心のブロック(「親不孝だ」という思い込み)を外していくこと。親は大切ですが、自分の現在や将来を犠牲にしてまで介護されることに関して、多くの親は、本質的には喜ばないはずです。核家族化し、一人っ子も増えている今、心身ともに抱え込まない介護が必要です。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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