大災害後の「心の危機」は復興期に顕在化する

避難所トラブルも続出する「これから」の問題

被災地でトラブルが急増するのは、復興が始まる「これから」です(写真:UPI/アフロ)

こんにちは。メンタルアップマネージャの大野萌子です。

このたびの熊本を中心とする地震で被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。ボランティアの受け入れも本格化し、現地は徐々に復興が始まっているようですが、「心のケア」という点においては、実は「これからの時期だからこそ」という問題があるのです。

震災から半月が過ぎた今、惨事ストレスの観点で言うと、疲れが蓄積し、復興までの道のりに「幻滅」を感じる時期に突入しているのです。

自分の受けたダメージの大きさに気付くとき

この連載の記事一覧はこちら

ここまでの心理状態になるには、いくつかの段階があります。まずは災害発生直後。自分や家族、近隣の人たちのために必死で駆け回り、感情は麻痺したままでも身体が反射的に動いてしまうという、第1段階です。

その次の第2段階は、災害を体験した人たちが衣食住などの生活の問題と闘いながらも強い連帯感で結ばれ、不自由を感じながらも、人の支えや繋がりを意識する状態です。

それに続く第3段階(まさにこれから突入していく段階)では、何が起きるのか。まず、被災者が自分の受けたダメージの大きさに気付き、今まで表面化しなかった心の問題が徐々に顕在化します。また、長引く不自由な生活に感情的な反目が生じるケースも多くみられます。避難先でのコミュニティ内では、県外などへ出る人・残る人など分散化が進み始め、つながりが薄れ、孤立感を深める人も増えていきます。

次ページ「ごはんの盛り方」で揉め…盗難の発生率も拡大
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 溺愛されるのにはワケがある
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。