大災害後の「心の危機」は復興期に顕在化する

避難所トラブルも続出する「これから」の問題

被災地でトラブルが急増するのは、復興が始まる「これから」です(写真:UPI/アフロ)

こんにちは。メンタルアップマネージャの大野萌子です。

このたびの熊本を中心とする地震で被災された方々に、心よりお見舞いを申し上げます。ボランティアの受け入れも本格化し、現地は徐々に復興が始まっているようですが、「心のケア」という点においては、実は「これからの時期だからこそ」という問題があるのです。

震災から半月が過ぎた今、惨事ストレスの観点で言うと、疲れが蓄積し、復興までの道のりに「幻滅」を感じる時期に突入しているのです。

自分の受けたダメージの大きさに気付くとき

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ここまでの心理状態になるには、いくつかの段階があります。まずは災害発生直後。自分や家族、近隣の人たちのために必死で駆け回り、感情は麻痺したままでも身体が反射的に動いてしまうという、第1段階です。

その次の第2段階は、災害を体験した人たちが衣食住などの生活の問題と闘いながらも強い連帯感で結ばれ、不自由を感じながらも、人の支えや繋がりを意識する状態です。

それに続く第3段階(まさにこれから突入していく段階)では、何が起きるのか。まず、被災者が自分の受けたダメージの大きさに気付き、今まで表面化しなかった心の問題が徐々に顕在化します。また、長引く不自由な生活に感情的な反目が生じるケースも多くみられます。避難先でのコミュニティ内では、県外などへ出る人・残る人など分散化が進み始め、つながりが薄れ、孤立感を深める人も増えていきます。

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