津田大介「世界一の政治メディアを創る」 新世代リーダー 津田大介 メディア・アクティビスト
始まりは、非正規だった
津田大介氏は、世に出たその出方からして「新世代リーダー」的だ。これまで一流ジャーナリストといえば、有名新聞社や通信社出身で、何らかの賞を取り、有名出版社から本を出して名を売るというのが常道だった。だが、津田氏はまるで違う。
「就職活動で出版社を片っ端から受け、すべて面接で落とされましたが、なんの因果か、アルバイトとしてパソコンやインターネット雑誌のライターの仕事にありついた」
つまり、キャリアの始まりからして非正規。お世辞にもエリートとは言いがたい。だが、津田氏はすぐに、1997年当時16誌もあったインターネット誌のすべてに寄稿するほどの売れっ子ライターになった。
「ところが今や、インターネット誌は1つもない。僕はネットにより経験も可能性ももらったけれど、同時に仕事も失ってしまったのです」
もっとも、すでに先手は打ってあった。
「フリーのライターは、切られたら終わり。特定の何かに依存するのは怖いので、つねに新しいことをやってきた」
追い求めてきた新しさとは、追いかける情報の新しさだけではない。雑誌や本など既存のメディアだけに依存せず、新しいメディアには誰よりも早く参入した。ブログは、一般に普及するはるか前の2002年には始めた。
強みは、「組み合わせの新しさ」で作り上げた。
「出入りしていたIT誌の中には、文系の僕より技術に明るい人が山ほどいた。また、昔から好きで寄稿していた音楽誌には、僕よりずっと音楽に詳しい人がゴマンといた。しかし、技術と音楽、両方に詳しい人は誰もいなかった。音楽のネット配信が米国で話題になったとき、僕はその2つを組み合わせて語る人になろうと思った」
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