津田大介「世界一の政治メディアを創る」 新世代リーダー 津田大介 メディア・アクティビスト

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津田 大介
ジャーナリスト、メディア・アクティビスト
津田 大介
1973年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。コンテンツビジネス周辺や著作権、IT・ネットサービスをフィールドに執筆。2006年から08年まで文化審議会著作権分科会において専門委員を務める。07年、「MIAU(インターネットユーザー協会)」を設立。音楽ニュースメディア「ナタリー」を手がける(株)ナターシャ取締役。早稲田大学大学院政治学研究科非常勤講師、関西大学総合情報学部特任教授も務める。最新著に『ウェブで政治を動かす!』(朝日新書)
日本に「メディア・アクティビスト」という、“新職種”を創った津田大介氏。いわゆるライターやジャーナリストのように既存のメディアに寄稿するだけではない。「行動主義者」という「アクティビスト(activist)」の原義通り、ツイッターからラジオまで、新旧織り交ぜたさまざまなメディアで情報発信する。
今では、ツイッターのフォロワー数は23万人を超え、リアルタイムでツイッター実況することを意味する「tsudaる」なるスラングまで生まれたほどだ。
そんな津田氏が、2013年早々に、「世界一の政治メディアを立ち上げる」と狼煙を上げた。合言葉は、「ウェブで政治を動かす!」。はたして、その戦略とは? また、気鋭の「行動主義者」の行動原理を支える人生哲学やキャリアとは何か?

始まりは、非正規だった

津田大介氏は、世に出たその出方からして「新世代リーダー」的だ。これまで一流ジャーナリストといえば、有名新聞社や通信社出身で、何らかの賞を取り、有名出版社から本を出して名を売るというのが常道だった。だが、津田氏はまるで違う。

「就職活動で出版社を片っ端から受け、すべて面接で落とされましたが、なんの因果か、アルバイトとしてパソコンやインターネット雑誌のライターの仕事にありついた」

つまり、キャリアの始まりからして非正規。お世辞にもエリートとは言いがたい。だが、津田氏はすぐに、1997年当時16誌もあったインターネット誌のすべてに寄稿するほどの売れっ子ライターになった。

「ところが今や、インターネット誌は1つもない。僕はネットにより経験も可能性ももらったけれど、同時に仕事も失ってしまったのです」

もっとも、すでに先手は打ってあった。

「フリーのライターは、切られたら終わり。特定の何かに依存するのは怖いので、つねに新しいことをやってきた」

追い求めてきた新しさとは、追いかける情報の新しさだけではない。雑誌や本など既存のメディアだけに依存せず、新しいメディアには誰よりも早く参入した。ブログは、一般に普及するはるか前の2002年には始めた。

強みは、「組み合わせの新しさ」で作り上げた。

「出入りしていたIT誌の中には、文系の僕より技術に明るい人が山ほどいた。また、昔から好きで寄稿していた音楽誌には、僕よりずっと音楽に詳しい人がゴマンといた。しかし、技術と音楽、両方に詳しい人は誰もいなかった。音楽のネット配信が米国で話題になったとき、僕はその2つを組み合わせて語る人になろうと思った」

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