世界のエリートは「座禅」で何を得ているのか 無我、無心になることの意義とは

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座禅で「無我、無心」の境地へ(写真:Rawpixel / PIXTA)
固定観念にとらわれず、自らのポテンシャルを引き出すにはどうすべきか。『世界中のトップエリートが集う禅の教室』を書いた、妙心寺春光院の川上全龍・副住職に、座禅や禅的思考の効用について聞いた。

 

──いすに座る座禅でいいのですか。

別に足を組まなくてもいい。正座や胡坐(あぐら)はことさらストレスがかかるので、両足を組む結跏趺坐(けっかふざ)、片足だけの半跏趺坐(はんかふざ)が勧められるが、いすに座っていても構わない。趺坐は共に平らなところで背筋を伸ばし、いずれ心地よく座れるようになるのが目的。座禅会でそう説明しても、みなさんすぐに形にこだわり趺坐をしたがる。20分ももたず足が痛くなるのに固定観念から抜け出せない。

英語での座禅会を始めて10年

──英語での座禅会には一見の観光客も参加できますね。

アジアの人、特に中国系、シンガポール系の人はソーシャルメディアの口コミサイトで知って来る。欧米の人は伝統的なメディア媒体のテレビや雑誌で見たり、友人から聞いたりして訪れる人が多い。定期的に始めて10年になる。
 ──けっこう続いています。

人は、座禅の足の痛さに象徴されるような必要のない苦しみをあえて求めたりしがちだ。こういう思い込みやルーチンによって行動することが日常生活にはいっぱいある。座禅は「調身→調息→調心」により、自分自身を見直し、自らのポテンシャルを高めるのに有効であることを、海外の人を含めて知ってもらおうと始めた。

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