どちらにしても、ハナコさんが言いたかったのは a long light brown hair (明るい茶色の髪の毛一本)ではなく、long light brown hair (明るい茶色の長髪)ですよね。
以前、別の生徒が同じ間違いをしたとき、a hair だと「毛が一本」だよ!と言ったら、Oh, I see! (なるほど!)と言って、I used to have long hairs. と、hair を複数形にしてくれたのですが、複数にしても「数えられる」というコンセプトは変わりません。「私、昔は長い髪の毛が何本か生えていました」という意味になってしまいます。つまり「数えられる程度」の複数本の毛が生えていたという意味になってしまうのです。
もしくは、「私、昔は長い髪の毛を何本か持っていました」という妙な感じに聞こえなくもありません。趣味で髪の毛を集めていたのか、いつも長い髪の毛を持ち歩いていたのか……。それでは、まるで何かの儀式みたいです。
髪型や髪の色の話のときには、a も s もつけずに使うようにしてください。
が正しい表現です。
目はふたつあります
鋭い方はすでにお気づきだと思いますが、a black eyeというのも、数がおかしいですね。目はふたつありますので、通常 eyes と複数形を使用します。a blue eye や a brown eye だと、片目だけ色が違うという意味になってしまいます。
では黒い瞳は black eyes と言えば解決かというと、そうはいかないのが難しいところ。瞳の色については、blue eyes (青い瞳)、green eyes (緑の瞳)、brown eyes (茶色の瞳)のように色を付ければよいのが通常なのですが、黒い瞳だけは black eyes ではなく、dark eyes (黒い瞳)と言うのです。black を使うと、殴られたときにできる「目の周りのあざ」という別の意味になってしまいます。つまり、a black eyeでは、
John has a black eye. (ジョンは殴られて、片目の周りにあざがあります)
という意味になってしまうのです。black eyes だと、両目ともあざということです!
ということは、元々のハナコさんの文 He has a long light brown hair and a black eye. を聞くと、明るい茶色の長い髪の毛を一本握りしめ、目には殴られたあざがある、ひじょうに心配な感じの彼氏の姿が思い浮かんでしまいます。
と言いましょう。
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