ペットが持つ「癒やし効果」が絶大な理由 凶悪犯罪者さえも心を入れ替える

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セラピー犬がもたらす効果とは?(写真 :hana / PIXTA)

生後5カ月の子犬マックスがうちに来たのは、2014年3月のこと。犬アレルギーの人も反応を起こしにくい小型犬のハバニーズだ。

ワンちゃんを見せるとぴたりと涙が止まる

マックスにセラピー犬の資質があることは、すぐにわかった。キャンキャン吠えたり、唸ったりしないのはもちろん、どんな人にも愛敬があった。それは人間の側も同じだった。特に子供。泣いている子に、「ちょっとワンちゃん撫でてみる?」と話しかけて、フサフサの毛を揺らしてご機嫌のマックスを見せると、涙がぴたりと止まるのはほぼ確実だった。

そこで私は、グッド・ドッグ財団が運営しているセラピー犬のトレーニングを受けてみることにした。6週間の訓練に合格すれば、マックスと私は、病院や老人ホームや学校など、セラピー犬の効果が認められている場所を訪問する認証をもらえる。

トレーニングには飼い主も参加する。通常は4~8組のグループ講習だ。犬の大きさや種による制限はない。ただ、トイレのしつけができていて、攻撃的でなく、知らない人や大きな音にも動じない気質でないといけない。また、車椅子やエレベーターを怖がらず、「おすわり」「ふせ」「ダメ」といった基本的な命令を学べる必要がある。穏やかな気質は必須。絶え間なく吠えたり、甘え噛みをしたり、飛び跳ねる犬は向いていない。

晴れて認証をもらい、マックスと初めて近所の病院を訪問したときのこと。「最悪の朝だった」と愚痴っていた女性が、マックスをベッドにあげて、大いに可愛がると、喜びで涙を流した。そして「マックスを連れて来て励ましてくれてありがとう」と、何度も私に礼を言った。

小児病棟では、ひどい喉頭炎で入院していたよちよち歩きの女の子が、マックスを見つけると奇声をあげて走り寄ってきた。まだ言葉を話せないくらい小さな子だったけれど、マックスと見つめ合うと、マックスの頭をなでてクスクスと笑った。マックスも笑っているように見えた。

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