ヒトと犬がネアンデルタール人を絶滅させた

ヒトは史上最強のインベーダーだった

なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのでしょうか(写真 :dmbaker / PIXTA)

なぜネアンデルタール人が絶滅したのか

上の画像をクリックするとHONZのサイトへジャンプします

本書『ヒトとイヌがネアンデルタール人を絶滅させた』は「なぜネアンデルタール人が絶滅し、初期現世人類は絶滅しなかったのかという人類学の大問題」に、最新の研究結果と巧みな想像力で迫っていく、知的興奮に満ちた1冊である。

原書である『The Invaders』は2015年3月に出版されたばかりで、著者が引用している論文はここ数年で発表されたものも多く、古人類学の知識を大幅にアップデートできる。本書で描かれるネアンデルタール人の真の姿、絶滅への過程、侵入者としてのヒトとイヌの姿はこれまでの常識とは大きく異なり、驚かずにはいられない。

ネアンデルタール人絶滅という大問題には、これまでもさまざまな角度から解答が提出されてきた。有力だと考えられてきたものの1つは、気候変動説。ネアンデルタール人が地球上から姿を消した頃の気候は非常に不安定で、数100年という短い周期で温暖期と寒冷期をいったりきたりしていた。しかし、気候変動だけでは、説得力ある説明にはならない。なぜなら、ネアンデルタール人絶滅時期の気候変動は確かに激しいものであったが、それ以前にはもっと過酷な寒冷期や気候の変動があったからだ。気候変動だけで絶滅したのなら、もっと前に絶滅していたはずなのだ。

次ページヒトとイヌがネアンデルタール人絶滅の大きな要因
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 日本と中国「英語教育格差」
  • コロナ後を生き抜く
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナ徹底検証<br>日本は第2波に耐えられるか

米国やブラジルでは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていますが、日本は感染者も死者も圧倒的に少ない。その理由はいったいどこにあるのでしょうか。政策面、医療面から「第1波」との戦いを検証。「第2波」への適切な備え方を考えます。