包丁を入れる前の丸ごとの状態のときには a cabbage、a pizza、a cake と数えることができますが、切り分けてしまった瞬間に数えられない名詞に変身するのです。I want to eat a pizza. と言ったら、「ピザを丸ごと1枚食いたい」という意味。I want to eat some pizza.と言ったら、「ピザを何切れか食べたい」と言う意味です。I want to eat some pizzas. 「丸ごとのピザを数枚食べたい」と言ったら、もはやフードファイターレベルです。
「数えられる」ものと「数えられない」もの
日本語では、あまり「数えられる」か「数えられない」かや、「単数」か「複数」かということは気にする必要がないので、ついつい見落としがちですが、英語で話すときには、冠詞や単数形・複数形というのを意識しなくてはなりません。ハナコさんは、名詞に a をつけてしまう傾向があるので、気を付けましょうとアドバイスしました。
すっかりのろけ話を聞かされた私たち。「ハナコさんが幸せそうでよかった」という思いや、「その彼氏、大丈夫か?」という心配や、「ハナコに先を越された」という悔しさなど、それぞれの感情が渦巻く中、ハナコさんがスピーチの最後で「みんなに彼氏の写真を見てほしい」と言ってスマホを取り出しました。
一気に席を立ちあがって、ハナコさんの周りに集うクラスメートと筆者。ハナコさんが写真を探す間、「イギリス人」「長髪」「無職」「年下」と、それぞれの彼氏像をみんなが心に描いていたことでしょう。ところが、ハナコさんがテーブルに置いたスマホには、可愛いゴールデンレトリバーの子犬が写っていたのです。
This is my new boyfriend, Yamato! (これが私の新しい彼、ヤマトです!)
「なんだー、イヌか!」と笑いながら席に戻る研修生たち。そして「ダマされたー」と騒ぐ男子をよそに、さっき不機嫌そうだったナナコさん、神妙な顔でハナコさんの横に行って、憐れむように言いました。
Hanako, if you get a dog, you cannot get married! (ハナコ、イヌなんて飼ったら、結婚できないわよ!)
するとハナコさん、にっこり笑いました。
That’s fine. I will marry Yamato! (ヤマトと結婚するからいい!)
さすがに筆者も少々ハナコさんのことが心配になりましたが、ナナコさん、さらに複雑な表情に……。
Well, we need to talk later. (ちょっと、あとで話がある)
そう言い捨てると、ナナコさんは席に戻りました。
ああ、どうぞ皆さんに幸あらんことを!
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