イギリスに「肥満体」が多いのには、ワケがある みなさん、食べ過ぎですから!
世界的に社会問題となっている“肥満”。肥満大国といってすぐ思い浮かぶのはアメリカやメキシコだけれど、ここ紳士の国、イギリスとて無縁ではない。サヴィルロウで仕立てた上質なスーツに身を包んだスタイリッシュな紳士像が今は昔となってしまいそうなのだ。
あまりイメージにないかもしれないけれど、実はイギリスの成人人口の2/3以上がオーバーウェイト(BMI 25以上)、もしくは肥満(BMI 30以上)とヨーロッパでは最悪のレベル。子供でさえ、すでに1/4以上がオーバーウェイトや肥満!
このまま無策でいたら、2050年には子供を含め人口の5割が肥満になるという恐ろしい統計が出ているほど、事態はかなり深刻。しかも、基本的に医療費が無料のイギリスでは、肥満が要因となる成人病患者(糖尿や高血圧)やその予備軍の増加は、昨今の医療費の負担増に直結している。今ですら国家予算を逼迫しているのに、今後さらに肥満人口が増えるとなると……健康面でも経済面でも、肥満対策が国を挙げての緊急課題となっているのも頷ける。
幻のシュガータックス
そこで登場したのが、「シュガータックス(砂糖税)」!日本人からしたら考えも及ばないような税金の中身はというと、肥満の要因のひとつである、砂糖を含む清涼飲料水や炭酸飲料を対象に約20%の税金をかけようというもの。イギリスの医師会が導入を提案し、子供の食育を唱えるシェフ、ジェイミー・オリバーも賛成のスタンスで議論に加わり話題となったが、メーカーから反対の声があったとかなかったとかで、「シュガータックス」導入はあえなく見送られた。