使える日本史教科書は高校生用だけじゃない

大学生向けの日本史教科書は一味違う

新しい知見は、大人にこそ必要かもしれない(写真:まゆき / PIXTA)

日本の歴史の基礎を一冊で総覧する本と言えば、高校の教科書がまず浮かぶ。高校時代は試験のために仕方なく開き、太文字を拾って闇雲に暗記するものの、短時間で詰め込んだものは短時間で記憶の彼方へ。教科書なんて無味乾燥、淡々とした記述の羅列……。子供たちはみんなそう思っている。

楽しみとして読む教科書

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だが、大人になってみると分かってくる。実は、教科書ほど基本的な教養を網羅しているものはない。知っておいて損はないことが過不足なく記述されているのだ。

何年か前に歴史の教科書でおなじみの山川出版社が『もういちど読む 山川日本史』を出版し、ベストセラーになったことを覚えておられる方も多いだろう。かくいう私も買ってみたが、実に新鮮だった。時代の流れがさらさらとわかるし、あらためて興味をひかれるところも次々に出てきて、読んでいて楽しかった。試験のためではなく、楽しみとして読む教科書は、「おとなの教養」の基本を固めてくれるこの上ない本なのだ。(参考リンク:『教科書を追え!成毛探偵社』

さて、本書も教科書である。が、こちらの対象は高校生ではなく大学生だ。一般教育科目の「日本史」と専門基礎科目の「日本史概説」の講義用として、帝京大学文学部の先生方が教授から若い講師まで一丸となって執筆されている。受験で日本史を選択しなかった学生たちでも、改めて基礎をまなびながら、さらに深い知識への興味が沸き起こるように意図されている。平明な文章でルビもしっかりとふられているが、重要用語を太字で強調するということはしておらず、あくまで文章の流れを追いながら歴史の流れを追うことができるのも意図的にそうしているのだろう。いずれもとても読みやすい理由となっている。

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