契約自体が無効になるわけではなく、最低賃金に達していない額だけが無効となり、法令で定められている額が適用されるということに注意が必要です。
また、一般的な企業が採用している月給制の場合はどのように計算すればよいのでしょうか?計算式としては、<月給÷1カ月平均所定労働時間>が、その事業所のある都道府県の最低賃金以上である必要があります。
例えばA社の年間所定労働日数が255日で、所定労働時間が8時間とすると、1カ月平均所定労働時間=(年間所定労働日数255日×8時間)÷12カ月=170時間となります。
月給には基本給、職務手当などの手当は含まれますが、通勤手当、残業手当などは含まれません。もしA社の月給が15万円とすると、15万円÷170時間=882.35円となり、東京都と神奈川県では最低賃金を満たしていないことになります。
労働法違反の企業は処罰される
なお、業種によって「特定最低賃金」が定められている場合は、その額が「地域別最低賃金」より高い場合に限りそちらが適用されます。
勤務条件や待遇などは民間企業であっても労働法によって規定されています。企業が社員に対して「入社したばかりだから」「成果をあげていないから」などの理由で、労働法の規定を逸脱するような行動をすることは許されませんし、逸脱すれば企業が処罰されます。労働者は労働法で保護されているのです。
では最後に腕試し、○×問題で復習してみましょう!
1. 最低賃金額は、時間又は日によって定められている。
2. 最低賃金違反に罰則は定められていない。
次回はいわゆる「ブラック企業」と、その対極にある「ユースエール認定企業(若者の採用や育成に積極的で雇用管理が優良な企業)」について取り上げます。
1も2も×です。1は「時間」によってのみ定められています。2は「50万円以下の罰金に処する」と定められています。
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