チヨダvs.ABC、靴の激戦区・上野で激突
日本有数のターミナル駅で知られる東京・上野駅周辺は、靴の最激戦区でもある。靴小売り大手で、快進撃を続けるエービーシー・マート(ABC−MART)が本店を構えるほどだ。その激戦区で、同じく靴小売り大手のチヨダが新たな勝負に出た。
「シュープラザ」「東京靴流通センター」などの靴専門店を展開するチヨダは10月11日、「シュープラザ」を上野にオープンした(=タイトル横写真=)。シュープラザは、もともと地方のファミリー層を対象にした郊外型店舗だが、近年は若者需要の取り込みを狙い、新宿に旗艦店を出すなど、都心重視の戦略に舵を切りつつある。
上野店も新宿店に次ぐ都心型の店舗として、上野エリアでは最多レベルと推定される3500点の商品を販売し、年間3億円以上の売り上げを目指す。上野店の総売り場面積は75坪と小規模店が密集する上野エリアでは最大級で、売り場の通路も広い。
チヨダが得意とするのが、店の入り口に並ぶ1990~4990円のプライベートブランド(PB)商品。紳士靴などの「セダークレスト」(=下写真=)は、水洗いのできるウォッシャブル機能や、高い通気性などを備えている。都市部の20~40代の需要を取り込む狙いである。
チヨダのPB商品は、高付加価値商品でも値段を抑えているのが特徴だ。ここ10年間で若者のブランド意識が下がりつつある中、ブランドよりも機能に注目し、高付加価値のPB商品を市場に投入して自社のブランド価値を高めようという戦略である。