スマホで激変!? ゲーム大バトル 専用機の市場が侵食
クラウド上でゲームを遊べるようになると、パッケージのみならずゲーム専用機のハードディスクも不要になる。クラウドにアクセスすればどんな端末でも遊べるようになるため、ゲーム専用機の概念は大きく変わることになる。
任天堂は6年ぶりに据え置き機を投入
同時にSCEは、スマホ対応へも舵を切っている。10月3日から、新しいゲーム配信サービス「PS Mobile」を開始した。スマホとタブレット、PS Vitaに対応したプラットフォームで、「SCEの規格に準拠したスマホとタブレットで、同じゲームを遊ぶことができる」(SCEモバイルサービス事業推進部の矢部雄平次長)。
PS Mobileは、タッチパネルとPS Vitaのボタン操作の双方への仕様統一も行っている。「カジュアルゲームも充実させるが、タッチパネル操作で可能なかぎり没入感のあるゲームもそろえたい」(SCEソフトウェアソリューション開発部の望月有人氏)。すでにソニー、ソニーモバイル、台湾HTC、エイスーステック、WikiPad、富士通、シャープなどがパートナー企業に名を連ねる。
一方、任天堂はゲーム専用機へのこだわりを貫く。12月8日には、据え置き型ゲーム機「Wii U(ウィー・ユー)」を発売する。発売と同時に『マリオ』などの自社有力ソフトに加え、有力ソフトメーカーのタイトルを大量投入して攻勢をかける。「現存する携帯型ゲーム機では実現できない画像」(岩田聡社長)を売りに、コアユーザーを取り込む。
任天堂にとってはスマホ向けゲームなどどこ吹く風だが、ネットワーク戦略には力を入れている。「一人で部屋にいても、世界中の人とつながって、一緒に面白がったり悔しがったりできることは面白い」(岩田社長)と、ゲームについて語り合うソーシャルサービス「Miiverse(ミーバース)」を開始する。
6年ぶりとなる大型ゲーム機の登場に、大手ソフトメーカー幹部は「Wii Uの売れ行きは、今後のゲーム専用機の可能性を占うことになる」と注視する。