新年度が始まり、期末からの多忙な仕事が続いていると、体調不良を感じることがあるだろう。30代の会社員のAさんは、「なんだか調子が悪い」と思ったときに、たまたま会社の健康診断のお知らせが届いたという。
健診では血液検査や肺のレントゲン撮影などが行われるため、Aさんは「健診で調べられる」と考えた。健診結果は「異常なし」。ホッと胸をなで下ろしたものの、疲れやすくて調子が悪い状態は続いたまま。長引く不調に不安を感じたAさんは、あらためて医療機関を受診したところ、「生活習慣による2型糖尿病」と診断された。
食後の血糖値の異常は健診ではわからない
糖尿病とは、食事で分解されたブドウ糖のコントロールがうまくいかず、血中にブドウ糖があふれる(異常に高い血糖値)状態を指す。この状態が長期間に渡ると、さまざまな症状に結びつく。健診でも血糖値は測定されるのが一般的だが、Aさんはなぜ「異常なし」で済まされたのか。
「会社の一般的な健診では、前日の21時までに食事を終えて、朝食を食べずに検査を受けますね。このとき、血中のブドウ糖を調べる検査は、空腹時血糖値といって、何も食べていない状態の血液で調べることになるのです。この空腹時血糖値が110mg/dl以上で、糖尿病の疑いがあると診断されます。
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