安田:わかるわかる(笑)
常見:大企業から人が出ないのは、安泰だからとかではなくて、すごく仕事ができるのに、「他じゃ通用しない」と思ってしまう。「会社のブランドで仕事しているのではないか」とか「このやり方は古い」とか、そういう風に考えるのでしょうねえ。
安田:うちは、社員が今どういう気持ちで働いているかという調査、モラールサーベイ(従業員意識調査)を1年に1回やっているのですが、その中に「私は今、仕事に見合った給料をもらえているか」とか「転職をしたら、それ以上の給料をもらえるか」という質問項目があります。その中で「転職を検討しているか?」という質問の回答のほとんどが「していない」なんですよ。その理由は「自分の能力では他社で通用しないかもしれない」が7割くらい占めていて。みんな自信がないんだなと思います。
常見:でも、それって大企業あるある話ですよね。自信が持てないという。
遠藤彩子(以下、遠藤):SEと営業はちょっと違うと思うのですが、SEの場合は、大企業であるがゆえに、新卒は大事にされているんです。そういう意味で、ほかのベンチャーに比べて、成長が早いか遅いかというと、遅いんです。みんな守られすぎていて、成長するのが緩やかという理由からだと思います。うちの会社、平均年齢が44.8歳なので、若いうちから責任をもらう経験が少ないんです。そういうのもあって、2~3年目でジレンマが出てくるじゃないかなと。
常見:まあ、成長していないかどうかでいうとクエスチョンですけどね。それ「大企業がホワイト企業すぎる問題」と言われますね。あまりに丁寧に育てられすぎて成長を実感できないという。
遠藤:私は平均年齢が若いベンチャーのような、富士ゼロックスとは正反対な会社から転職をしてきましたが、転職してきて、2~3カ月で悩み出しました。SEは部門も細かく役割が分かれていて、ずっと同じことを新卒からやるパターンが多いんです。
大川:当時のSE部門は機能で分かれすぎていて、できることが限られていたのですよね。
遠藤:何かやっている人、面白い人はいないかなと思って出会ったのが大川さんでした。
常見:なるほど。
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