就活には大人のエゴとズルさが詰まっている 就活生は企業の本音を見抜き、そして楽しめ

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前回に引き続き、「楽天&みんなの就職活動日記」の事業責任者である楽天の今里慎作さんに話を伺う
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である。
前回に引き続き、楽天みんなの就職活動日記(通称:みん就)の事業責任者、今里慎作氏へのインタビューをお届けしよう。和気あいあいと、みん就について語り合った前回よりも、今回はぶっちゃけモード。欺瞞に満ちた日本の就活界の裏側、建前と現実について語り合った。
楽天は経団連のルールよりも早い時期に合同説明会などを開催している。その真意とは何なのか。みんなの怒りを代弁し、最後は少し元気になる企画だ。是非ご覧頂きたい!

 大人の事情で、学生を振り回すのはどうなんだ?

常見陽平(以下、常見):2017年度採用においては、また就活時期が変更になります。

今里慎作(以下、今里):経団連の「採用選考に関する指針」はその典型だと思いますが、あのルールってあくまで大人の事情であって、学生のことを考えると本当にそれで良いのかって話ですよね。結局は採用する企業側の足並みをそろえさせることによって、「抜け駆けはしないこと!」といっているようなものかな。

企業側の混乱を避けるのが目的になっているようですよね。先日発表された経団連の「2015年度 新卒採用に関するアンケート調査結果」をみると、95%以上の企業が「学生への悪い影響があった」と回答していて、やはり約9割が「自社の採用活動に悪い影響があった」「企業全体として、指針のスケジュールは遵守されていない」、約8割の企業が「指針で規定したスケジュールを見直すべきである」と回答しています。

常見:激しく不評ですね。まあ、ルールがあったとしても、破ったりすり抜けようとしたりする大人のズルい論理に気づけ、と。

今里:そうです。もちろん、企業から公式に出ているスケジュールなどもあるのですけど、本音のところでは企業は門戸を開けて学生と出会うのを待っているのだろうし、学生だって情報を取りに行こうと思えばインターンシップやOB・OG訪問を通じてどんどん取りに行けるはずです。もちろん、企業はもっと積極的に情報開示すべきだと思いますが。

常見:私は多様な目で見てほしいと思っていて。たとえば、リクナビの白書では、ほとんど人事部主導でインターンシップをしていたとか。人事が用意した独自のプロジェクト型とか。まあ、その時点で仕事体験かどうかというと、クエスチョンなのですよ。もちろん、人事はプチ仕事体験ができるように創意工夫はしています。人事部は学生にとって魅力的な社員を揃えているわけで。それも企業努力ですが。「誰とやるか」は大事なので、人の魅力で企業を決めるのは悪くないとは思うものの、それ「だけ」で企業を決めるのは危険だと思います。

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