大川:中二病に近いんじゃないかなと思います。その頃ようやく会社が見えてくるんです。それまでは仕事を覚えて早く一人前にならないといけないとしていましたが、段々と意志を出せるようになってきます。「こうやりたい」というと「それはリスクがあってだめだ」「それはうちの部門の仕事じゃない」と顧客のためにやろうとしていることを、ワケの分からない理由で外されていく。
なんかおかしいなと思い始めました。でもそれはうちの会社だけがおかしいのかなと、外が気になって、見るようになりました。同時に、結局この会社が好きなんだなと思い返すきっかけになったのも、その頃かもしれません。
常見:富士ゼロックスの社員は、他社の人事からするとスカウトしたくなるのではないですかね。良い意味で競争の風土があると思われていますし、イノベーティブなのではないかと。昔も今も営業力の強い会社だと思われているし。
安田勇大(以下、安田):優秀な営業社員は次のステージを求めて結構やめていく印象がありますね。
青木洋(以下、青木):僕は逆で、燃え尽き症候群でやめようと思いました。3年目で社長賞をもらって、一時はイントラネット上が案件事例や営業実績など私の名前で埋まっていました。そこまでいったら、何かこう燃え尽きてしまった。
僕が最初に会った社会人は、アクセンチュア出身の気持ち悪いくらいすごくできる人でした。そういう優秀な人を周囲に求めていたときに、「大川は優秀だ」という話をあちらこちらで聞いたので、コンタクトをとってみたのです。大川と出会えていなかったら、僕は辞めていたかもしれません(笑)。
常見:青木さんの悩みって、20代後半から30代の営業の人が抱えている共通の悩みじゃないかなと思います。若手でも頑張れば成果は出ます。ちゃんと目標管理、行動管理をして、先輩のいいところを真似していけば、気合と根性でめちゃくちゃ売れる時期ってあるじゃないですか。
営業ってそのとき、青木さんのように燃え尽きたり、面白くないなあと思ったり、これほかの会社で通じるのかとか、このまま同じことをずっと続けたくないとか、悩みのスパイラルに陥りがちだなと思いました。
大企業を辞めない理由は、安泰だからではない
青木:「富士ゼロックス社員は優秀だ」という話がありましたが、やっていることって、そんなに外で通用するのかという不安があります。うちのSE(システムエンジニア)も営業もそうですが、外での自分の価値はそんなに高くないんじゃないかと思っていて、それが、自分が外に飛び出せない理由でした。今残っているのも、若干どこかで、通用しないんじゃないかと思っているからです。
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