東大発!「模範解答のない入試」の衝撃度

大学入試の未来像は企業の採用にあった

この問題を見た瞬間、あることに気付いた人もいるだろう。大学入試が企業のリクルーティングと同質化し始めているということだ。

就職活動では、面接が課されないことはない。リクルーター面接、役員面接、社長面接など、企業によっては、3回から4回の面接を通過しなければならないことがある。面接の想定問答集などもあるにはあるが、聞かれることは、基本的にはその場の流れによって決まっていくことが多い。

突然目の前に置かれたアイスコーヒーを指差されて、「これを私に売り込んでください」と言われたり、「無人島にひとつだけ持って行けるとしたら何を持っていきますか?」と聞かれたり、意表をつく展開になることもある。 社会に出れば、想定外の連続。予測不能な事態にどう対応できるかが求められる。通り一遍のことを学んでいれば大丈夫ということはなく、いざという時に、パニックにならない耐性を持っているか、それを採用試験で重点的に見ることも少なくない。

このような力が、今、大学入試でも求められ始めている。それがこの東大の問題に表れているのではないだろうか。

考えてみれば当然だ。企業も大学も、グローバル化社会、人口減少、少子高齢化が進む日本社会で経営の舵取りをして、顧客獲得をしなければならない法人組織であることに変わりはないからだ。 そして、文部科学省が推進する入試改革も、まさにこの社会的要請を受けて、社会で求められる力と、大学で求められる力の不一致をなくす取り組みでもあるのだ。

なぜ大学入試が「入社試験化」するのか

国立大学はもともと文部科学省の内部組織だったが、2004年に個別に法人化された。追って、公立大学も法人化され、すべての大学は自らの経営責任を持つ法人となった。この意味でも、大学は、企業と同じ ように、一挙手一投足に、自らの存続がかけて経営を行わなければならず、優秀な経営者の存在、マーケティング戦略、商品開発等が求められる立場となった。

世界屈指の名門大学であるハーバード大は、2015年度のフィナンシャルレポートによれば、376億ドル(1ドル110円換算で約4兆円)もの資産を有しており、その経営手腕がうかがえる。総資産4兆円というと、日本企業で言えば、ブリヂストン、楽天、富士フイルムを上回る規模だ。

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