東大発!「模範解答のない入試」の衝撃度

大学入試の未来像は企業の採用にあった

今後は日本の大学が「試験一発型」を続けていく可能性は低くなっていくだろう。世界の趨勢は明らかに有能な人材を獲得するという方向に舵を切っており、その中で、このアドミッションオフィサーの職務を果たすプロフェッショナル集団の育成は、間違いなく重要テーマになってくるはずだ。

入試改革・教育改革の本質とは

冒頭の東大の写真問題は、模範解答のない問題だ。しかし、答えがないからこそ、個人の特性をはかることができる。こうした問題への答えは、自大学のポリシーに合致した学生を見極めるための重要な材料になるはずだ。

逆に、確固としたポリシーを持たない大学は苦戦することになるかもしれない。こうした模範解答のない問題や、書類審査や面接などで人を定性的に見ようとするときに、ポリシーがはっきりしない状態では選びようがないからだ。

実は、昨今、国の指針においても、各大学がアドミッションポリシー(受け入れ方針)、カリキュラムポリシー(育成方針)、ディプロマポリシー(輩出方針)を定めて明文化することが、教育改革の大きなテーマのひとつになっているのだ。

東大の新傾向問題は、こうした大改革を象徴するような問題だと言える。このようにあえて採点基準を明確化しない入試は、今後さらに広がっていくと思われる。そして、それが、大学経営の本質を考えても、世界的なビジネスの潮流をふまえても、これからの人材が大学でも社会でも一貫して生き抜いていくという意味においても、自然な流れだと思う。

問題は日本の大学がそれにきちんと対応できるかどうか。どんなポリシーがあり、どんな学生を求めているのかを、受験したい学生にきちんと示すことができるのか。そして、そのポリシーを背負って学生をリクルーティングする専門職員(アドミッションオフィサー)の育成ができるか。これらが今後大きなテーマになってくるのは間違いない。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 買わない生活
  • 映画界のキーパーソンに直撃
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
大乱世の思想ガイド<br>マルクスvs.ケインズ

戦後社会の信念とイデオロギーが崩れ落ちる今、危機を乗り越えるための思想が必要です。脱経済成長を旗印に支持を広げる新マルクス主義とコロナ禍で完全復活したケインズ主義を軸に、大思想家が残した知恵を学び直します。

東洋経済education×ICT