速報!東大合格者数ランキングと「塾歴社会」 東大に一番近い教室「鉄緑会」の強さの秘密

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全国の受験生があこがれる東大の赤門(写真:コーチャン / PIXTA)

週刊誌が高校別東大合格者数ランキングを発表している。受験情報サイト「インターエデュ」によれば、現時点でのランキングトップ10は別表の通りとなった。

上記ランキングには登場しないが「東大に一番近い」といわれる教室がある。「鉄緑会」という塾である。学力トップ層の中高一貫校生を対象に、6年間をかけて、余裕を持って確実に東大に合格できる学力を身につけさせることを標榜する。

東京本校と大阪校を合わせた高3の生徒数は例年850名程度。東大合格者総数は2013年の321名、2014年の334名からさらに増えて、2015年には375名となっている。この調子でいけば今年はさらに増えるはずだ。特に東大理Ⅲ(医学部)への合格実績は突出している。2015年度には鉄緑会からの合格者数が6割以上を占めた。

東大合格者数ランキング上位校の背後に「鉄緑会」

鉄緑会の創立は1983年。名前の由来は東大医学部の同窓会組織「鉄門倶楽部」と東大法学部の自治会「緑会」。端的に言えば、東大の医学部と法学部に入るための登龍門ということである。東大医学部や法学部の学生や卒業生が集まって作った。

特徴的なのはまずなんと言っても指定校制度である。13の指定校に合格した子供たちは中1の春に入塾する場合にのみ「入会選抜試験」を免除されるという特権を得られる。昨年同様に、今年の東大合格者数でも2位になると予測される筑駒では半数以上が鉄緑会に通っている。桜蔭は約4割、開成は約3割、灘は約1/4が鉄緑会という具合。「東大合格者数ランキング上位校の背後に鉄緑会あり」なのである。

鉄緑会には、東大合格に特化した門外不出のノウハウが蓄積されていることが、同塾ホームページに掲げられている。ある大手大学受験塾の幹部は、「講師はほとんど学生で授業がうまいわけではないが、なるほど教材は合理的にできている」と評価する。しかし鉄緑会の本当の強さは別のところにあると、私は拙著『ルポ塾歴社会』(幻冬舎)の取材を通して感じた。

中1の時点で、東大医学部を間近に感じられる

たとえば東大にたまにしか合格者を出さないような地方の進学校に在籍している場合、東大生というだけで雲の上の存在のように認識されるだろう。しかも学歴ヒエラルキーの最上位に当たる東大医学部といえば、神様みたいな存在ということになる。自分がそうなるイメージをつかむチャンスはほとんどない。

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