しっかり貯金したいなら、家計簿に頼るな 「企業会計」で考えれば、簡単に仕分けできる

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重要なことは支出の項目を沢山作って細かく分類することではなく、基本的な生活費の把握と、家計に大きなインパクトを与える高額出費の把握、この2点だけだ。

普段のアドバイスで家計簿を見せてもらうと、ネットで見つけたというエクセルの家計簿ファイルや雑誌を参考に作ったという家計簿では、家賃の隣に洋服代、その隣に光熱費……といった具合に、基本的な生活費という発想が無いことがほとんどだ。支出の項目を整理して、ざっくりと二段階に分けるだけで家計の管理は驚くほどわかりやすくなる。

なお、先ほど紹介したマネーフォワードやfreeeでは金額の高い順に支出を並べ替えることが簡単にできる。並べ替えをしたうえで家賃や保育料などの「基本的な生活費」を除けば高額出費は簡単に把握が可能だ。

家計簿をつけるのが面倒な人は高額出費だけでも把握しておくと(手帳にメモる程度でも十分)、なぜ今月は貯金ができなかったのだろう? 特に大きな買い物をしたわけでもないのに……という疑問のほとんどが解消できる。

さらに正確に計算するには?

面倒でない人は、高額出費を2つに分けて、三段階で収支を計算することも可能だ。これは支出の頻度で分けるといい。1万円を超えるちょっと高価な外食は毎月行くことはあるかもしれないが、毎月結婚式のご祝儀とか家具・家電の買い替えがある人はほとんど居ないだろう。

これは企業会計ならば経常収支と特別損益の違いとも言える。本業ではないけどつねに発生する収支と、突発的にしか発生しない収支を分類するようなイメージだ(ただし、家計では臨時収入はすべて売り上げとして考えていい。株の売買で利益が出た、と言った場合は家計の収支とは分けて計算すればいい)。

するとやや高めの外食は日常的な高額出費として計算していいが、年に一回の海外旅行や、数年に一回の家具・家電の買い替え、コートの購入などは日常的ではない高額出費として計算することになる。もちろん、人によっては毎月海外旅行に行ったり高価な服を買う人もいると思うので、これはどちらに分類してもいい。ただし、コロコロ変えると比較ができないので注意して欲しい。

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