過去2回にわたって「“世界一不幸”な 日本のビジネスパーソン」の不満の源泉に迫ってきたが、いよいよ、その完結編をお届けする。
このテーマは1回で書き切ろうとしていたテーマなのだが、調べれば調べるほど、日本のビジネスパーソンの「幻想」と「現実」のギャップが大きいことがわかった。
グローバル視点で見た時の日本の特殊性は明らか。その特殊性を分析していくうちに、3回にわたるテーマとなってしまった。
本質的な打開策は、雇用制度や人材活用の仕組みといった根本的なシステムである。しかし、これは一朝一夕で変えられるものではない。そこで今すぐに実践すべきは、「コミュ力」を高めることだ。コミュ力によって、社員のモチベーションや満足度は劇的に上げることができるのだ。
最後に、そうした「職場をハッピーにするコミュ術」を紹介するが、まずはその前に現状の背景をもう少し掘り下げておこう。
極めて特殊な「総合職」の発想
そもそも、日本の会社員に覆いかぶさる「不幸感」は、日本独特の雇用制度に大いに関係がある。世界的に見ても稀有な「終身雇用」や「年功序列」といった独特の慣行を守り続ける日本企業だが、もう一つ極めて特殊なのが、「総合職」の発想である。
普通、どの国の企業も、「営業」「経理」「IT」など「職種」を限定して、その道のプロフェッショナルを雇用する形態が多い。日本の会社は大卒総合職として入社すると、どの職種に就くかは会社によって決められる。職に就く「就職」ではなく、会社に就く「就社」と言われるゆえんだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら