人はなぜ年を取ると、「太りやすくなる」のか 今さら聞けない「肥満対策」の基礎知識

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つまり、冒頭で挙げた「昔と比べて、食事量は変わらないのに太りやすくなった」のは、代謝が落ちてきているのに、食事は以前の量をキープしているからなのだ。

スポーツ選手で引退後に太っている人を見るが、それはまさしくこのケース。現役時代は、基礎代謝、活動代謝がともに高く、どんなに食べても太らなかったのが、引退後、年を重ねて体を動かさなくなっても、現役のときと同じように高カロリーの食事を摂ってしまう。これが、スポーツ選手の“引退太り”の原因である。

「食事」と「運動」、痩せるために意識すべきは?

では、太らないためには、「食生活を改善して摂取カロリーを抑える」、「運動をして消費カロリーを上げる」、どちらを意識すればよいか。

答えは、「食生活を改善して摂取カロリーを抑える」である。もちろん運動することは大切だが、食生活を変えずに運動だけで痩せようとするのは、ハッキリ言って無理である。なぜなら、運動で消費されるエネルギーで、摂取したエネルギーを打ち消すことは厳しいからだ。

たとえば、42.195kmのフルマラソンを走って消費されるカロリーは何キロカロリーかご存じだろうか。実は、約2500キロカロリーだ。そして、1kgの体脂肪を減らすのに必要なカロリーは約7500キロカロリーである。これを聞けば、運動だけでやせることが相当難しいことをおわかりいただけるだろう。

「筋トレで代謝が上がる」は嘘

では、筋トレはどうか? よく、基礎代謝を上げるために筋トレをしよう、という人もいるが、この考え方は間違いである。実は最新の研究で、「基礎代謝の8割は“内臓”によるもの」だということが明らかになっている。

もちろん、筋肉をつけることでまったく代謝が上がらないことはないが、それで痩せやすい体質に、という効果は実はあまり期待できないのだ。

ただ一方で、筋力は、とくに男性の場合、40代あたりから衰え始め、50代以降、急激に低下することがわかっている。これが、「体重が変わらないのにお腹だけがポッコリと出てくる」原因だ。体重は変わらないが、体の中では、筋肉が減って体脂肪が増えるという現象が起きている。

体重は変わらないのにお腹だけが出てきた、という人は、筋トレで衰える筋力を維持しながら、体脂肪を減らすために有効な「有酸素運動」を行うことが効果的である。

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