ダイバーシティ経営・パネルディスカッション--多様な価値観の尊重・活用で、仕事と企業を変える
東洋経済新報社では、多様な人材を重要な経営資源として活かすダイバーシティ経営を先進的に進める企業を表彰することを目的として「ダイバーシティ経営大賞」を2008年に創設した。第2回目となる本年は4月に受賞企業が決定し、6月15日に表彰式および記念シンポジウムを開催した。シンポジウムでのパネルディスカッションの模様をお届けする。
【出席者】
パナソニック電工・ダイバーシティ推進室 川原理恵子
資生堂・人事部ダイバーシティ推進グループ 宮原淳二
帝人・ダイバーシティ推進室 黒瀬友佳子
日本アイ・ビー・エム 人事広報&ダイバーシティ 梅田恵
日本総合研究所主席研究員ESGリサーチセンター長 足達英一郎※
創コンサルティング代表 海野みづえ※
青山学院大学大学院国際マネジメント研究科教授 須田敏子※
(司会)NPO法人GEWEL代表理事 堀井紀壬子※
司会(堀井) NPO法人GEWELの代表をしております堀井でございます。まず、受賞された企業の方たちから、ご自分の企業の自慢をしていただきたいと思います。では、パナソニック電工の川原さんから。
川原 パナソニック電工ダイバーシティ推進室で専任で活動を担当しております川原と申します。
本日は本当に光栄な賞をいただきまして、ありがとうございます。
当社のダイバーシティ推進活動の特徴といたしましては、まず会社の理念として、創業者の理念が根づいているということです。「物づくりと人づくりは車の両輪である」ですとか、「衆知経営」すべての固定観念にとらわれずに、さまざまな人の知恵を集めて経営を進めていくべきだという考え方が根底にあるということで、活動もかなり進めやすいのではないかと、一担当者として感じております。
体制としまして、トップダウンとボトムアップを備えています。「経営層」では、社長をはじめ各部門から役員が集まって「ダイバーシティ・アドバイザリー・コミッティ」というものを立ち上げました。3カ月に1度、コミッティを開催し、ダイバーシティ推進室自体の活動についてのアドバイスですとか、各部門でいかにダイバーシティを進めるかということについて議論をします。
私が所属する「ダイバーシティ推進室」は村上を筆頭に兼務の者を含めてただいま13名。月に1度のミーティングで毎月いろいろなテーマでディスカッションをして、それをさまざまな人事制度ですとか意識改革に落とし込んでいくという活動を進めています。
もう1つの特徴的な組織が「地区ダイバーシティ推進委員会」。当社は営業所、ショールーム、工場など全国各地にたくさんの事業所があります。それらを全国29地区に分けて委員会を設置し、各地区で活動を進めていただいている。立ち上げた当初はなかなか進まなかったのですが、いまでは毎年、フォーラムの際に集まって活動の意見交換をしたり水平展開をしたりということで、かなり意識改革につながる仕掛けづくりができてきたように思います。