ダイバーシティ経営・パネルディスカッション--多様な価値観の尊重・活用で、仕事と企業を変える

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「女性活用からダイバーシティへ」ということで、昨年4月に「女性躍進推進室」を「ダイバーシティ推進室」に改称しました。同年開催したダイバーシティ・フォーラムでは、当社のダイバーシティの要素を代表する社員ということで、障害者雇用を仕事として担当しご自身も少し聴覚に障害を持たれている女性、名古屋の女性のマネジャー、外国人のマネジャーの3名にパネルディスカッションを行ってもらいました。

ダイバーシティを取り込んで経営に生かす、つまり、何ができるかできないか、どういうところが違って、どういうところを生かしていけばいいのかということを、お互いにわかり合ったうえで、それを生かしていこうという根本的なところでは、「女性」に限らず「障害者」「外国人」についても共通しているということが、このパネルディスカッションでもはっきりと伝わったように感じています。また、取り組みを「女性」から「外国人」「障害者」へと展開することで、より一層、女性のテーマのダイバーシティも進めやすくなったように思います。

パネリストとなった女性マネジャーの場合、子どもを持ち、照明の部門で提案をする部署で働いています。当社にはお手洗いの照明でドアを開けるとオートでライトが点く製品があり、それまではまったく普通の一商品として扱っていたのですが、育児休業中に子どもが自分一人でトイレに行けるようになるトレーニングにこれがとても有効だということに気づいた。自身が子どもを生んで実際に体験しないと、自信を持ってお客様にそういう視点では提案できなかったというお話も出て、これからどんどんいろいろな視点や経験を経営に生かしていくべきだということで、とても盛り上がりました。

この時は「コミュニケーション」をテーマにしたのですが、ダイバーシティの基本はやはりコミュニケーションだと、日々感じています。当社がコンサルタントをお願いしている北尾真理子さん(元P&Gでダイバーシティを推進し、現在ダイバーシティ・コンサルタント)に教えていただいた言葉ですが、普通のコミュニケーションは自分がしてほしいことを相手にしてあげるようなコミュニケーションが基本だが、ダイバーシティのコミュニケーションはさらに一歩進んで、相手がしてほしいことを相手にしてあげるコミュニケーションだ。相手と自分では考え方も価値観も違う。違うことを前提に、自分が甘いものが好きだから相手にも甘いものを出すのではなく、相手が好きなものを感じ取り、理解し合う。それをコミュニケーションでしっかりと理解したうえで、相手がしてほしいことをしていくことで、違いを生かしていけるのではないでしょうか。

そういうことを私自身、全国的にもっともっと広めていくことで、当社の発展により一層つなげていきたいと思っております(拍手)。

足達 パナソニック電工さんの今回の応募資料あるいは公表資料を拝見して一番印象に残ったのは、仕事のやり方を変えるということとセットにしないとダイバーシティは推進できないということを明確におっしゃっておられる点でした。

 私も、子育て中の者が2人、新婚ほやほやが2人、それから大学院に行っているのが1人と、人数こそ少ないもののたいへん多様な部下をマネージングしており、制度だけでは動かないということは本当に痛いほどわかります。日本企業も、女性の問題で言えば10年、ダイバーシティという言葉を掲げてもう5年というぐらいのオーダーのところで、まさに仕事をこれからどう変えていくのかという課題に直面している。変えるというのは大変なことですけれども、その視点を培っておられるというところに、私は強い印象を受けましたし、これは物づくりの、たとえばQC活動やカイゼン運動ともつながってくるのだろうと、製造業としてのパナソニック電工さんのDNAといったものにも感心しました。これらがうまくつながって、今後花開かれることを期待したいと思っています。

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