ダイバーシティ経営・パネルディスカッション--多様な価値観の尊重・活用で、仕事と企業を変える

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 仕事と育児の両立のために2008年度に新たに講じた支援策の一つに、「育児時短の取得期間を小学校3年生まで延長」があり、いま資生堂グループ全体で900名を超える育児時短取得者がいます。このほか、社員の配偶者に海外転勤が発生した場合、同行を前提に3年以内の期間を設けて休業を認めています。

子育て社員をサポートする保育施設「カンガルーム汐留」は6年前(2003年)にスタートし、汐留界隈のほかの会社さんにも開放しています。30名ぐらいの定員がほぼ埋まっています。それから、今年で5年目になる「子どもを資生堂に招待する日」。小学生を主体に、社員の家族のお子様を会社に招き、お父さん、お母さんの仕事場を肌で感じてもらうことを、夏休み中に実施しております。

当社で力を入れているのが「育児と仕事の両立支援」の「カンガルースタッフ制度」です。育児時短中の美容部員が夕方帰る時にどうしても、接客とか、あるいは後ろめたいみたいなところがありました。そこで、学生さんがメインの「カンガルースタッフ」を導入し、代替要員として店頭に立っていただくという制度を2007年にスタートしました。育児時短が取りにくい店頭美容職の代替要員を確保し、従業員満足とお客様の信頼獲得の両立を目指したのです。カンガルースタッフは現在1000名超。育児時短を取れない、あるいは取りにくいというような方は今ほとんどいなくなっている状況です。

次に「短期育児休業」。これは、連続2週間以内で終了した場合は「有給」とするものです。もちろんそれ以上取れるのですが、男性の育児休業取得を促進するために2005年に導入しました。また、「男性が普通に育児参加できる風土づくり」ということで、「父親のためのワークライフバランス塾」を開いたり、昨年は「男性育児参加キャンペーン」ということで、資生堂版の「パパ検定」を社内でやったりして非常に盛り上げました。

実は私自身2005年の導入時に育児休業を取りました。4年ほど前のことで、この時は少し変わり者と見られましたけれども、いまでは育児休業を取る人は非常に増え、変わった人というイメージはありません。また、この経験がたいへん仕事にも生きる。弊社の場合、女性社員が多いですから、その気持ちが理解できるようになったとか、子どもが話しかけてくれるようになったとか、妻の大変さがわかりましたので家庭が円満になって、私の持論「家庭がうまくいけば仕事もうまくいく」といったところです。後輩には、「子どもが生まれたらなるべく取れ」と、小姑のように言って回っています。
 
 資生堂全体としては、ワークライフバランスにはこのような形で力を入れています(拍手)。

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