デキない若手ほど「ポテンシャルに自信」の謎 本当は秘密にしておきたい採用基準の必勝法

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心理学には、学習能力の高さを「マインドセット」というコンセプトで研究する分野があります。「マインドセット」とは、たとえて言えば脳のOSのこと。デキる人が若手のポテンシャルを測る時は、スペックではなく脳にインストールされているOSを評価しているようです。

移動中は100%、素の自分が出てしまう

人を採用したり評価する必勝法として、米国のある有名なベンチャー経営者がトークイベントで「ここだけの話しだけど……」と語っていた秘密のお作法は今でも印象に残っています。

それは、面接の質問でも新しいテストでもありません。彼は採用面接の時は志願者を必ず会社の専用バスで送迎するのですが、送迎バスの運転手に志願者がどんな人だったかを聞いて採用不採用を決めていたそうです。

面接では表面的にとりつくろえても、移動中は普段の自分が出てしまうという理由。かなり説得力がある秘密のお作法です。確かに、デキない男Jr.は移動中2つの習慣があって、ほぼ100%識別できます。

デキない男Jr.は移動中にこの2つの習慣が…

① スマ歩

スマホを操作しながら歩くと、歩行速度が極端に落ちるという習慣。マナーの問題ではなく、その人の情報処理のスピードの遅さ、パフォーマンスの低さが周りにバレるという問題です。デキる人Jr.はスマホでチェックした後、早足で移動します。結果的に移動速度も判断も早いということが如実にわかる習慣です。

② ライン(列)漏れ

デキない男Jr.はリアルな人の列での振る舞いが苦手。電車やエレベーターの乗り降り列から漏れて先を争うので精神力体力を消費します。デキる人はラインから離れる。混んでいる場合は一本遅らせるなど列での立ち居振る舞いがスマート。結果的に精神や体力の磨耗が少ない。自分のリソース配分やコンディショニングがうまいかどうかがすぐにわかる習慣です。

逆に考えると、このような移動中の習慣を少し変えると普段の自分がちょっとずつ変化し、ポテンシャルを自然と上げることもできるはず。デキない男Jr.からデキる人Jr.への変身は、毎日のちょっとした習慣の変化で可能なんだと思います。

ポテンシャルとは、潜在能力じゃなくて学習能力、突き詰めれば「好奇心」や「興味」を持つ能力のこと。デキる人の多くがそう答えました。歴史に残る理論を発見して成功を収めたあの天才も、似たような言葉を残しています。

私の成功の秘訣がひとつだけあるとすれば、ずっと子供の心のままでいたことです。 〜 アルベルト・アインシュタイン

 

タブ タカヒロ ビジネスコンサルタント、はたらく女性のかていきょうし

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たぶ たかひろ / Takahiro Tabu

東亜大学トータルビューティ学科客員准教授。外資系アパレル2社→MBA取得→コンサルティングファームという経歴で現在に至る。新卒でやたらと有能な女性の多い職場で女子力を鍛えられ、海外勤務も経験。MBA取得後、コンサルティングファームにて、男くさいロジックと競争の世界に翻弄され、一瞬自分を見失ったものの、土壇場で開眼。周りを巻き込み味方を増やしてわくわく仕事をするスタイルを確立。週末にライフワークとして行っている「はたらく女性のかていきょうし」は大人気の数カ月待ち。セミナー開催や、雑誌取材など多方面で活躍中。共著に『外資系コンサルはなぜ、あえて「手書き」ノートを使うのか?』(KADOKAWA)。

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