優れた上司は、部下の「尖った部分」を活かす

人の個性を削ると、後には何も残らない

写真:Rawpixel / PIXTA)
デキる人ほど、部下の欠点に目がいってしまい、「それなら自分でやったほうが早い」と仕事を自分で抱え込むことも多いものです。そうしているうちに、会社からは、「部下が何人かいるのだから」と、仕事をどんどん増やされ、首がまわらないように……。やはり部下の仕事を自分でやってしまうのではダメで、「部下に任せる力」が必要なのです。
いったいどうすれば、部下を育て、強いチームを作ることができるのか。『図解 部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書』の著者で、ライフネット生命保険・代表取締役会長兼CEOの出口治明さんに、成果を上げるチームの作り方について聞きました。

「長所」と「短所」はトレードオフ

まず、「長所を伸ばして、短所をなくす」ことなど、「ありえない」と僕は考えています。

長所や短所は、その人の「尖った部分」、すなわち「個性」です。人はもともと、「尖った部分」を持っていて、三角形のように角張っています。ところが、「チクチクして痛い」という理由で角を削り、丸くしようとする人がいます。そして、「尖った部分」を削って丸くした結果、「面積が小さくなってしまう」のです。

人の意欲や能力は面積に比例します。ですから、上司は部下の「尖った部分」を削ろうとしないことです。

「長所を伸ばす」ことと「短所を直す」ことはトレードオフ(一方を追求すると、他方が犠牲になり、両立しない)です。部下の「尖った部分」は「削るのではなく、そのまま残す」。人は「小さい丸より大きい三角形」であるべきです。

「尖った人」ばかりでは、組織がまとまらないと思われがちですが、「丸くしないで、尖ったまま人を使う」からこそ、組織は強くなるのです。

戦国時代の「石垣」と同じです。

自然の石を加工せず、そのまま組み合わせて積み上げ、石と石の隙間には「小さな石」を詰めて補強する。形の違う石を組むのは大変ですが、だからこそ、頑丈な石垣ができ上がったのです。

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