優れた上司は、部下の「尖った部分」を活かす 人の個性を削ると、後には何も残らない
「長所」と「短所」はトレードオフ
まず、「長所を伸ばして、短所をなくす」ことなど、「ありえない」と僕は考えています。
長所や短所は、その人の「尖った部分」、すなわち「個性」です。人はもともと、「尖った部分」を持っていて、三角形のように角張っています。ところが、「チクチクして痛い」という理由で角を削り、丸くしようとする人がいます。そして、「尖った部分」を削って丸くした結果、「面積が小さくなってしまう」のです。
人の意欲や能力は面積に比例します。ですから、上司は部下の「尖った部分」を削ろうとしないことです。
「長所を伸ばす」ことと「短所を直す」ことはトレードオフ(一方を追求すると、他方が犠牲になり、両立しない)です。部下の「尖った部分」は「削るのではなく、そのまま残す」。人は「小さい丸より大きい三角形」であるべきです。
「尖った人」ばかりでは、組織がまとまらないと思われがちですが、「丸くしないで、尖ったまま人を使う」からこそ、組織は強くなるのです。
戦国時代の「石垣」と同じです。
自然の石を加工せず、そのまま組み合わせて積み上げ、石と石の隙間には「小さな石」を詰めて補強する。形の違う石を組むのは大変ですが、だからこそ、頑丈な石垣ができ上がったのです。
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