創造性にとって「インテリ気取り」は拘束具だ

先入観を持つと本当の価値がみえなくなる

エリート的な態度からは、創造性は生まれません(写真:Graphs / PIXTA)
人生は一度きりしかない。「お仕着せではないクリエイティブな生き方をしたい!」という願望を持っているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。そんな人々を勇気づけて背中を押してくれるのが、先人たちの偉業をまとめた書籍。『「クリエイティブ」の処方箋』(ロッド・ジャドキンス著、島内哲朗訳、フィルムアート社)には、クリエイティブに生きるための発想が、86本の短めの読み物として紹介されている。
東洋経済オンラインでは、86のアイデアのうちのいくつかを紹介していく。第10回は「高尚から低俗までくまなく探す」。

 

ジェフ・クーンズの彫刻作品に悪戯している男がいるのを見かけた。場所はニューヨーク、夜も更けた頃だった。男は外科医が着るようなスモックを羽織り、蛍光オレンジの工事用ヘルメットを被っていた。熱に浮かされたような、憑かれたような、ぎくしゃくした身のこなしだった。今思うにやめておけばよかったのだが、お節介なことに、私はこの男をやめさせることにした。

クーンズのキッチュで悪趣味な彫刻

そのクーンズ作品は、花で作られた巨大なウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの《パピー》だった。花と子犬という感傷的なツボをつく要素を組み合わせたのが、《パピー》という作品だった。このド派手な化け物犬を指してクーンズは「愛と温かさと幸せ」の象徴であると言った。天を突くような《パピー》は12メートルを超えた。鋼鉄の骨組みを23トンの土が覆い、ペチュニア、ベゴニア、キクといった7万にのぼる赤、オレンジ、ピンクの花たちが、その上に並んでいた。その晩、《パピー》はまだ完成していなかった。作業員たちは作業途中で帰宅したが、現場に見張りを残さなかったのだ。近づくと、憑かれたように植物を移動させる男の逆上したような目つきが見えた。

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集中連載「日立 踊り場の先へ」<br>世界で戦える組織へ

成長を確実にする組織の根幹を成すのが、研究開発と人事である。研究開発体制は2015年4月、各研究所に横串を通し、顧客起点の組織に生まれ変わらせた。人事制度もグローバル化がほぼ完了。踊り場から飛躍へ、日立の地固めの様相を追う。