「創造性」は鍛えることで身につくものである 悪いのはミケランジェロだ!
人生は一度きりしかない。「お仕着せではないクリエイティブな生き方をしたい!」という願望を持っているビジネスパーソンは多いのではないだろうか。そんな人々を勇気づけて背中を押してくれるのが、先人たちの偉業をまとめた書籍。『「クリエイティブ」の処方箋』(ロッド・ジャドキンス著、島内哲朗訳、フィルムアート社)には、クリエイティブに生きるための発想が、86本の短めの読み物として紹介されている。
東洋経済オンラインでは、86のアイデアのうちのいくつかを紹介していく。第3回は「悪いのはミケランジェロである」。
創造性は選ばれた天才にしか許されないという盲信は、アート界最初のスーパースターであるミケランジェロと共に出現した。1550年、ミケランジェロ列伝を記した広報の達人ジョルジョ・ヴァザーリの手によって「神に愛された男」というコンセプトが生み出されたのだ。
ヴァザーリは、ミケランジェロこそが天賦の才に恵まれた稀代の選ばれし者であると喧伝した。こうして創造性はエリートだけのものであり、限られた者しか手にすることができないという思想が定着してしまったのだ。
ミケランジェロの創作活動の実態とは?
ヴァザーリが言及しなかったことがある。ミケランジェロの創作活動は、助手の大軍団に支えられていたという事実だ。古文書を見れば何百という熟練の職人を雇った記録が残されている。
システィーナ礼拝堂の天上画には、常に十数名の職人が従事していた。これで、常人が1人きりで描くのは不可能としか思えない天井画が、実はどれほど巨大な制作スケールで描かれたのか納得できる。
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