ダリは、あの飴玉のロゴだってデザインした 本当にクリエイティブな人の生き方とは?
超現実主義の画家サルバドール・ダリが、「What's my Line(私は誰でしょう)」というアメリカのクイズ番組にゲスト出演したときのこと。有名人で構成される回答者たちが、目隠しのままゲストの職業をあてるという番組だった。
回答者がヒントを求めてゲストに質問をする。しかしこの日に限って、質問するほど回答者の混乱は深まった。何を尋ねてもゲストの答えは「はい、そうです」だったから。「小説家ですか」と問われれば答えは「はい」。3冊のノンフィクション書籍に加えて『隠された顔』という小説を上梓しているのだから。芸能人ですかと尋ねられても答えは「はい」。ダリは様々な舞台芸術を手がけたのだから。
回答者の1人がうんざりして言った。「この人がやらなかったことなんて、ないんじゃないの?」。
クリエイティブであるためには?
クリエイティブな心の持ち主は、自分のまわりに世界を形成しようとする。様々な椅子をデザインし、メイ・ウェストの唇を模したソファという傑作を作ったダリは、建具屋だったとも言える。『アンダルシアの犬』と『黄金時代』の創造に関わった彼は、映画製作者でもあった。ヒッチコックの『白い恐怖』中の幻想的な夢の場面もダリが協力している。またウォルト・ディズニーと共に『Destino』という非常に変わった短編も製作している[完成は2003年]。ロイヤルハートピンブローチのように可動部分を持つ精密な宝石をデザインしたダリは、宝飾デザイナーでもあった。純金の地金にルビーとダイヤモンドを散りばめたこのブローチの中心部は、心臓のように鼓動した。
建築設計士としてのダリは、有名なポルトリガトにある自宅をはじめとして、フィゲーラスにあるダリ劇場美術館のデザインもした。家を建てたいと思ったら、自分で設計する。他人に任せる理由はどこにもない。
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