ダリは、あの飴玉のロゴだってデザインした 本当にクリエイティブな人の生き方とは?
他にも舞台装置や、被服、織物、香水の瓶もデザインしてしまった。チュッパチャプス(どこでも売っている、あの飴のこと)の製造元は、ダリにロゴのデザインを依頼した。ダリは、花形のデザインとレタリングを考案し、それは今でも使われている。ロゴが常に見える位置に印刷されるようになったのは、ダリの助言によるものだった。ダリは「美術史に名高い、超現実主義のアーティストである裕福な私に向かって、何とくだらん依頼を」などとは言わなかった。面白そうだったから、話を受けた。何が重要で何が重要でないかという規則は、眼中になかったのだ。極めつけは、ダリが創ってしまった人間だろう。「ダリのフランケンシュタイン」の異名をとるアマンダ・リアのことだ。
まだペキ・ドルソと名乗っていたアマンダは、1965年にナイトクラブでダリと出会った。ダリは彼女[トランスジェンダー]に新しい名前と人格を与え、神秘的な設定を考案してディスコとアートシーンに売り出した。アマンダは各シーンで旋風を巻き起こした。
学校も社会も、あなたの創造性など取るに足らぬと思いこませようとする。そしてあなたは、創造する自信を失ってしまう。誰もが素晴らしい想像力を、直感を、そして知性を持ってこの世に生まれ出るのに、持って生まれた力を使わないように調教されてしまい、結果としてあなたが持つクリエイティブな心は萎れてしまうのだ。学校も、家族も、友人たちも、自分たちの能力の限界をあなたに押しつけてくる。しかし、クリエイティブな人が何かしたいと思ったら、行動あるのみ。ダリはいろいろなものをデザインし、映画を作り、様々な媒体を使って実験を繰り返した。そのすべてが成功だったわけではないが、名声を得るには十分だったというわけだ。
大事なのは、ともかく何でもやってみること
フィリップ・スタルクやザハ・ハディドのような現代のデザイナーたちも、ダリのようにユニークなビジョンを持った人たちだ。奇抜で人目を引くオペラハウスやスタジアム、そしてホテルといった建造物で有名になった彼らだが、自動車、自転車、電燈、宝飾、椅子、そしてボートまでデザインしている。どんなプロジェクトにも応用の効く思考法を編み出しているのだ。うまくいくときもあれば、いかないときもある。大事なのは、ともかく何でもやってみることなのだ。
クリエイティブな心構えは、何にでも適用できる。そしてあなたの人生のすべての側面を豊かにしてくれる。創造性というのは、電燈のように点けたり消したりできるものではない。あなたが置かれた世界を見る眼差しそのものであり、あなたが世界とどう関わるかという方法論なのだ。
クリエイティブな人は、書類の整頓中でも、料理中でも、スケジュールの管理中でも、家事労働中でもクリエイティブなのだ。あなたも、いつもとは違う考え方をしてみよう。そして、壁にぶつかったとき、何かに取り組むときに、適用してみよう。それは楽なやり方じゃないかもしれない。でも、試してみるのだ。
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